沖 の 声

書を束ね机上の春を整える
頬杖のかたち解くまで風信子
ふらここの足の高さに沖の声
パラソルを閉じるは一つ決めること
銃口と同じ大きさ黒揚羽
戦争を連れてきそうな青バナナ
手花火の中を時代が流れおり
起きぬけのパジャマ海月のかたちして  
草の実の明るい方に転びおり
一位の実甘し雨脚弱まりぬ

2021年(令和03年)4月 石狩かしわ俳句会 『かしわ』第4号
 

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