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いぬもあるけばぼうにあたる

河川愛護モニター(石狩川) こぼればなし
2015

2015.12.11 公開
2018.01.25 更新

■ 札幌河川事務所・河川愛護モニター

いぬもあるけばぼうにあたる

じっとしてりゃいいものを,あれこれ出しゃばるとロクな目にあわないのだよ,との訓え。
とは裏腹に,出歩けば思わぬ幸運にめぐりあえることもある,との俗な解釈もある。

結局のところ,幸運であろうが不運であろうが,出歩かなければ出会えないし,つまらない。
歩けるうちはどんどん歩きなさい,ということなのだと,ここは都合よく世俗派に追随する。
とはいえ闇雲に歩けばいいというものでもないだろう。
なにかにかかずらうことによってまったく知らなかった知見を得ることもある。新しい世界も開ける。
石狩市海浜植物保護センター運営委員の一員(4年間)として,いしかり浜の海浜植物や砂嘴の知識
いしかりガイドボランティアの会のメンバー(4年間)として,石狩(厚田,浜益まで)の自然や歴史の知識
など,退職後の自分にとって計り知れないほど大きなものをいただいた。

しかし同じところに長くかかずらうことは避けたい。
年を考えるとこの先どれだけ歩けるか分からないし・・・との思いからだ。

そろそろガイドボランティアにもひと区切りつけなければと思っていた矢先のこと。
ふと募集記事が目にとまり,今春,札幌開発建設部札幌河川事務所の河川愛護モニターなるものに採用された。
たった1年だが,貴重な体験をすることができた。

ここではモニター業務としての本来のレポート内容とは離れて,巡回の折のこぼればなし(その日遭遇したトピックスとかエピソード)のいくつかを書きとどめることにする。


モニター担当区間図
河川愛護モニターとは,日常生活の範囲内で知り得た情報を河川管理者に月1回程度報告することを主な任務とする。

自分の担当するモニター区間は左図の通り
(クリックすると拡大します)
石狩川最下流部左岸・石狩河口橋と渡船場樋門の間,約2.5km
花川に住む自分としては”日常生活の範囲内”とは決していえない区間。
月1回+α,巡回することとした。

堤防の上,そして低水路水際までの高水敷(河川敷)をひたすらうろうろする。
怪しまれないように願いながら・・・


石狩河口橋

赤井川樋門

穴の川水位観測所

親船樋門

石狩河口水位観測所

渡船場樋門

 
 

 
 

石狩水位雨量観測所
 とも

 
 

 
 

 
 

■ 目次
歩いた日 こぼればなし 最終更新日
2015.04.30 矢臼場水制遺構を初めて見る,単床ブロックも 2015.12.11
2015.06.01 石狩河口橋も往復 2015.12.11
2015.06.29 花たちとの出遭い 2015.12.11
2015.08.14 渡船場跡の説明板,不運なワンコ救出作戦 2015.12.11
2015.09.08 薮漕ぎをしていて突然ひらけたこと,渡船場跡と木造廃船置場跡地 2015.12.11
2015.10.12 自分でひらいた釣り場で楽しむ太公望,かつてあった造船所の遺構かも? 2015.12.11

■ 2015.04.30
●初めての巡回。
往路は堤防上を,復路は可能な限り石狩川の川岸ぎりぎりを歩いて戻る。
砂嘴の先端では川岸を歩くのに慣れているが,ここではとにかく初めて。
幸いまだヨシやイタドリなどが生い茂っていないので余裕で歩けた。
●おかげで矢臼場水制護岸の存在を我が目で確認することができた。
●河口橋直下の単床ブロックにも再会できた。これだけきちんと見られる場所はほかには知らない。
矢臼場護岸遺構についてはこちらをどうぞ


矢臼場水制

矢臼場水制

単床ブロック

単床ブロック
■ 2015.06.01
●最初に,橋長約1.5kmの石狩河口橋を往復してしまった。
河口橋そのものは区間外なのだが,歩道が下流側についているので歩きながら橋の上からモニター区間を眺望できる。
結果としてこの日のトータルの移動距離は10kmを超え,歩数計は1万6千歩をカウントしていた。ちょっと歩きすぎ。
最後にデジカメのバッテリー切れアクシデントのおまけつき。
ゆえにこの日のトピックスは河口橋からの風景である。


河口橋 左岸側から

河口橋から

河口橋から

河口橋から

河口橋から

河口橋 右岸側から
■ 2015.06.29
●体調イマイチ。巡回は全体の1/3程度に抑える。
●にもかかわらず,最も多くの野草たちに出合えた日だった。
この日に限らず今年のモニターの巡回で巡り合えた草花や果実を並べてみた。
意外に写真がたくさんあって,ビックリポンだ。
多くがこの日の巡回ルート(とりわけ川沿い)に集中している。
あまりヒトが踏み込まない場所だから,なのかもしれない。


(花の名前を調べるのはとてもホネがおれます。誤りがあったらご指摘ください)


4/30 キバナノアマナ

6/1 ヒョウタンボク

6/29 ヒロハクサフジ

6/29 ヨーロッパタイトゴメ

6/29 セイヨウミヤコグサ

6/29 オオキンケイギク

6/29 イタチハギ

6/29 クサフジ

6/29 エゾノレンリソウ

6/29ハルジオン

6/29 ナワシロイチゴ

6/29 センダイハギ

6/29 ツルリンドウ

8/1 エゾノレンリソウ

8/1 ツルリンドウ

9/8 ツルリンドウ

9/8 ノブドウ

9/8 メドハギ

9/8 スイセンノウ

9/8 アキグミ

9/8 ヒョウタンボク

9/8 ヒョウタンボク

9/8 ガマ

10/12 ヤマブドウ
訂正 2017.07.05】 ”ツルリンドウ”とあるのは,すべて”オオマルバノホロシ”の誤りでしたので訂正させていただきます。
■ 2015.08.14
●トピックスは渡船場跡にようやく案内板が設置されたこと。
●「いぬもあるけばぼうにあたる」を地でいったワンコに遭遇したこと。
4/30の最初の巡回の際に目撃した大きな流木が,そのまま水制の浅瀬にひっかかっている。その根元付近からワンコの鳴き声。
うろついていて川にハマっちゃったんだろうね。
彼にとっては間違いなく災難。このままでは流されるか,飢えを待つか…
救出作戦については,こちらをどうぞ
アオダイショウにも出会って,この日の巡回はここで打ち切り。


渡船場跡

渡船場跡

ワンコ

ワンコ

ワンコ

アオダイショウ
■ 2015.09.08
●この時期川岸を歩くのは難儀だ。
ヨシだのイタドリだのアキグミだのハマナスだのが密生,背丈を越える薮漕ぎとなる。必死に漕いでいたら,イキナリ視界が開けた。
川に沿って20mほど,ものの見事に草が刈られているのだ。堤防上から直接通じる小径も開かれている。この仕事,河川事務所とは関わりがないという。
ここからは再び薮漕ぎが待っているのだが,この場所の謎解きは次回持越し。
●渡船場跡のやや下流,かつて木造廃船(17隻)が打ち捨てられていた場所。
いまは雑草に覆われて面影はまったくない(1998年撤去)。


必死に薮漕ぎ

イキナリ開ける!

堤防からの小径

薮漕ぎ再開

草の刈られた渡船場跡

木造廃船置場跡地
■ 201510.12
●前回の謎が解けた。この日行ってみると近くに住むというおじさんがのんびりと数本の釣竿を立てている。聞くと,草を刈るのも,堤防からの小径をつけるのも,全部自分ひとりでやっているという。
踏みつけただけの釣り場に通じる薮に覆われたけもの道にはしばしば遭遇するが,これだけ自分専用の釣り場のメンテナンスに情熱を注いでいる人はほかには知らない。釣果はウグイ。犬の餌にするのだとか・・・
●木造廃船置場跡地に隣接して,かつて造船所があったという。
水辺にはその遺構と思われるものたちを散見できる。
●舟揚場には「連絡なければ処分しますよ」との貼紙を貼られた船もあった。


情熱太公望

釣果のウグイ

造船所遺構?

造船所遺構?

造船所遺構?

舟揚場

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