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石狩川河口での遭遇
No. 001 〜 010
流木オブジェ,夥しい木屑,招き猫,鶴の舞,台風の爪痕,巨大クラゲ,波の造形,流氷,乱舞,タールボール もくじ 2009.07.31 公開
2010.05.25 独立
2014.07.30 改編
2017.12.23 更新
- 001 : 2008.07.26 流木のオブジェ
- 002 : 2009.04.19 打ち寄せられた木屑
- 003 : 2009.07.29 木彫りの招き猫
- 004 : 2009.09.14 鶴の舞
- 005 : 2009.10.10 台風18号の爪痕
- 006 : 2009.11.06 巨大クラゲ
- 007 : 2010.01.24 波の造形
- 008 : 2010.02.21 流氷
- 009 : 2010.03.18 乱舞
- 010 : 2010.03.25 タールボール改め泥の塊り
流木のオブジェ 2008.07.26 盛夏。忽然と現れたモニュメント。
さながら,白骨化した多足怪獣。
自然の力で流木が組み立てられたとは信じ難い。
制作者不詳なれど,暇で粋な若者たち(に,違いない)に感謝しよう。
秋(2008.10.02),オブジェは早くも風化しつつあった <d.>。
<a>の対岸遥かに見えるのは,北石狩衛生センター。
打ち寄せられた木屑 2009.04.19 この年初めて訪れた河口。
川と海との出会いの突端から浜沿いに夥しい量の木屑が小山のように打ち寄せられていた。
昨秋(2008.10.17)には,奇麗な砂浜だった <e>。
その後木屑は次第に少なくなり,3ヶ月後(2009.07.29)にはほぼ姿を消した <f>。
冬から春にかけてこの地で荒海と戯れた彼らは,再び海に戻っていったのだろう。
どこかに安住の地でも求めたのだろうか?
<a.>の上部の海に見えるのは,川と海が邂逅して伸びた浅瀬に打ち寄せる白波である。
木彫りの招き猫 2009.07.29 本籍地不詳。上流のさる川辺で足を滑らせ漂流することしばし。
海を目の前にしてなんとか岸にたどり着き,ようやく這い上がって座り込む。
壮絶な体験とは裏腹に穏やかな表情。
なれど一点に凝固された視線の先にはなにがあるのか?
なにを招こうというのか?
正視するとなぜかコワい。
2009.08.25 彼は姿を消していた。
鶴の舞 2009.09.14 制作者は海
石狩川河口から少し離れる望来海岸。
崩落してきそうな巨大ノジュールの直下。
気まぐれにメノウなんかを拾いにいった。
春には砂利磯だったはずなのだが,すっかり砂浜と化していた。
台風18号の爪痕 2009.10.10 石狩川河口砂嘴は海側では切り立った砂壁の崖となっていて,植物の根が辛うじてその形を維持している。
高さはところによると3〜5mにも及ぶ。
崖の上では川の方向へ向かってなだらかな起伏の砂丘が続く。
ここが海浜植物の咲き誇るはまなすの丘公園でもある。
四等三角点"渡船場"が設置されていて,その標高が5.06m。
崖の下から波打ち際までは狭い砂浜。幅は数mのところもあれば,広くてもせいぜい数10m。
月1のペースで,この波打ち際をぐるっと一周している。
石狩灯台近くの河畔に下りて歩き始め,川と海とが邂逅する突端部をまわり,海側の砂浜を戻ってくるのだ。
(川岸では,水際を歩くことが不可能な部分があるし,護岸ブロックに邪魔されるところもある)
ゆっくり休み休み歩いておよそ2時間。天気のよい日の散策は気持がいい。
超大型とされる台風18号は9日午前,北海道の太平洋側をかすめていった。
石狩地方は幸いさほどでもなかったが,雨も風もそれなりに強かった。
台風の去った翌10日,波打ち際をひとまわりしてみた。
切り立った崖の砂壁に,海が暴れた痕跡が明瞭に残されていた。<a,b,c>
おそらく3mを越す高波が激しくぶつかり,砂丘の崖に噛み付いていったのだろう。
台風にしてみれば,この程度は引っかき傷くらいなものかもしれない。
そういえば今年始めて訪れた4月19日,砂丘の崖が抉り取られている部分が5,6ヶ所もあるのを発見した。<d>
崖の高さをはるかに凌ぐ真冬の荒波が崖を乗り越えて砂丘に襲いかかり,引く波で食いちぎっていったのだろう。
ここまでくると遠慮なく爪痕と呼んでもいい。
波打ち際が後退して砂浜が狭くなる。
さらには植物の生い茂る砂丘までもがしだいに削り取られていく。
近年,河口砂嘴は痩せ細っていく一方のようだ。
台風18号といえば・・・2004年の台風18号についてはコチラ
巨大クラゲ 2009.11.06 カモメたちが憩う砂嘴突端近くの砂浜。
右は,"台風18号の爪痕"の<d>地点と
同じ場所の崖で顔を覗かせていた
キューピー
カワイイんだか,コワイんだか。。。
打ち上げられていた直径1mもあろうかというエチゼンクラゲ。
宗谷海峡を経てオホーツク海にまでも出没しているというのだから,ここに現れても不思議ではない。
川沿いの管理道路脇にある東屋から砂嘴を横断して伸びている踏み分け道が,海にぶつかる崖の上に目印(道しるべ)の赤い旗が立てられている。
ここでの定点観察は,『石狩の「これ,なぁ〜に?」の解答編』を参照してください。(2010.01.28)
波の造形 2010.01.24 波による造形の妙。
素材は砂と雪。eのみは露出した植物の根と波しぶき,か。
この日も川沿いに歩いて河口砂嘴突端から海沿いに戻ってくる。
<a,b>は石狩川の水際。<c,d,e>は日本海の波打ち際。<c,d> のかけらはアスファルト状。
川沿いでは歩くスキーと動物たちの足跡が先導してくれる。振り返ると自分の足跡もついてくる。
海沿いでは高さ1mほどの波。しばしば砂丘の崖ぎりぎりまで波に飲み込まれる。
いきなり2mくらいの波が寄せたら持っていかれるかもしれない。通り抜けるには覚悟が必要。(こことかここ)
ホッと安心,流木に腰掛けてひと休み…
流氷 2010.02.21〜2013.02.10 2010.02.21
この日の河口砂嘴突端近辺に集まる流氷群。
a
b
c
(動くGIF)
流氷といってもオホーツクからはるばるやってきたはずもない。
石狩川の川面に張った氷が流され,打ち寄せられたものだろう。
▼ 途中の東屋 - 辛うじて屋根が見えている。 ▼ 堤防の上で出会ったキタキツネ
▼ 海沿いの崖の崩落はさらに進行
乱舞 2010.03.18 雪解けは一気に進み,川沿いも水際を進むことができる。
1月2月は雪に閉ざされて,平気でこの上を歩いた川の凹み(入り江)も姿を現す。
河口突端部近くでは水鳥たちの乱舞が。
といっても彼らにとっては単に傍迷惑な私たちが近づくのを嫌って飛び立つだけのこと。
タールボール改め泥の塊り 2010.03.25〜2017.05.09
項目名を ”タールボール” から ”タールボール改め泥の塊り” に改めました。 2017.05.13 2010.03.25
鮭料理の「あいはら」のあたりから砂浜に下り,砂嘴の波打際を歩く。
突端を回って石狩川の左岸を進むと,対岸・聚富川河口と対面するあたりに漁の網が仕掛けられている。
勝手な想像だが,イトヨ漁だろうか。
ここでUターンし,今度はできるだけぎりぎりに崖の上を戻るという,初めて試みるコース。
崖から波打際までの砂浜の幅は,広いところで40m,狭いところで10数m。
崖から削ぎ落とされた大量の砂が運ばれてきたのか,1,2月に比べて砂嘴先端がかなり肥大化。鳥取砂丘風。
河口の川幅が狭くなって,対岸・知津狩川河口がぐっと近づいたような印象。
このところ砂嘴先端近くの海側で毎回目にするのが黒い塊。石のようにも見えるのだが硬くはない。
棒を突き刺すと簡単に割れるのだ。(<a>を割ったのが<d>)
どうやらこれは,"タールボール"と呼ばれるあまり嬉しくない客なのだろうか。
一般に数センチくらいの大きさというが,ここでは10〜20センチほどもあるのがあちこちに転がっている。
2010.10.28
しばらくみかけなかったタールボールだが,この日は砂嘴先端から海辺に沿って360〜370mほど付け根の方に戻ったあたりの砂の上で10数ヶ確認された。
10月以降,東屋からの踏み分け道の突き当たりから100〜200m南西(砂嘴の付け根の方角)の崖の崩落が著しい。
追い討ちをかけるかのように2日前,初雪の26日から27日にかけて,石狩地方は強風に晒された。
砂嘴の一部にはおそらく3mをはるかに超える高波が打ちつけたに違いない。
2mほど崖そのものが削り取られて後退しているようである。(爪痕 : 崖下から,崖の上から)
これらのタールボールもそのときの荒波の置き土産と思われる。
海中には無数のタールボールが漂流し続けているのだろう。
【重要な訂正】
地質学を専門とする方から,これはタールボールではなく,泥炭ないし,泥炭質の泥の塊,ではないかとのご指摘を受けました。
今年も海辺を歩いていて何度か同様の塊に遭遇しました。
自分でもあらためて割って触れて(舐めてはいません),あるいは臭いを嗅いだりしてみましたが,油性の感触は得られませんでした。
また,波打ち際で砕くと容易に海水に溶け流れるようです。
よって,目下のところこの写真の物体をタールボールとするのは誤りだと考えています。
時化た後の浜辺に打ち上げられていることの多いこの塊,どこから流れてくるのでしょうか。
(2014.11.10 市民カレッジ講座配布資料を訂正した文章を,遅まきながらこちらにも転載 --- 2015.03.09)
2017.05.09
泥の塊りはその後も歩くたびに目につくのであまり気に留めることもなくなった。
この日もそこここに転がっていた(a) のだが,一緒に転がっていたのが見慣れない塊り(b)。
大きいものでは長径20〜30cmほどもあり,河岸でも海岸でも見かける。
さほど腐食の進んでいない泥炭の塊りとも思える。
乾かしたらよく燃えそう。突くと簡単に崩れる(c)。
見かけはこの時期(春先から)大量に海辺に堆積する木屑,枯葉ゴミ(d) に近いような気もする。
だとすると,ほとんど粘着性のなさそうな木屑や枯葉が,どうしてこんな団子状に固まったのだろう?