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石狩の遺産を相続する?

2016.05.01 公開
2021.09.19 更新

■ 2016.05.01 公開に先立って

昨年,あまり認知されていない(つまりいうところの"知られざる")石狩の「遺構」にこだわるページを公開した。
なかなか重たい作業ではかどらない。

一方いしかりには,すでに各方面から認知されている遺産(文化財,自然)も少なくない。
それらをきちんとまとめて,かつ,日々の更新を怠らない仕組みが,残念ながら見当たらない。

【花畔・網】がそうした作業を代行しなければならない筋合いもないのだが,昨年”茨戸川の岡崎式単床ブロック護岸”が土木学会選奨土木遺産に選定された。
それを契機に,とりあえず現時点で気づいたものを拾い上げてみることにした。

土木には縁もゆかりもない私がなぜ”単床ブロック”なのか・・・
昨年たまたま開発局札幌河川事務所から”河川愛護モニター”の委嘱を受け,川辺をうろつくことが多くなった。
かつて施工された護岸工事の遺構の数々を目にするにつけ,そこはかとなく想いを巡らせざるをえなくなったこともこのページを作ろうとする背中を押した。

しかし"遺産"というからには,それをいったい誰が"相続"するというのか?
市長でも,知事でも,ましてや世襲の極みの首相でもない。
相続するのはそこに住んでる人たちをはじめとする市民,国民であり,そしてこれからの人たちだ。
遺産に指定される段階で,市民がほとんど疎外されている面もあるかもしれない。
たとえそうであっても,これらの遺産に市民たちが自分たちのものとして向き合っていかなくてはいけない,と思う。
このページでは遺産たちのいまある姿を,機会あるごとにとらえて遺していきたい。

まだまだ抜け落ちているものもあるかもしれない。
お気づきの方は,下のメールリンクでおしらせください。



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北海道遺産
次の世代に残したい北海道の宝物
指定年 最終更新日
石狩川 (流域市町村) ★1★2
画像
第1回選定
2001.10.22
北海道の歴史と文化が刻み込まれた母なる川
増毛山道と濃昼(ごきびる)山道
画像画像
第3回選定
2018.11.01
近代化に先駆した開拓遺産とその再生
土木学会選奨土木遺産
土木遺産の顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資する
土木遺産認定プレート

(石狩市民図書館展示)

指定年 最終更新日
石狩川 生振捷水路 2002年度 わが国を代表する捷水路事業によって生み出された親水空間
(upd) 茨戸川の岡ア式単床ブロック護岸 2015年度 連接護岸の礎となる施設 2021.09.19
文化庁認定 日本遺産
既存の文化財の価値付けや保全・保護を目的とするものではなく,地域に点在する遺産を「面」として活用し,発信することで,地域活性化を図ることを目的としているという(要するに,観光資源化)。
我が国の文化・伝統を語る『ストーリー』を日本遺産として認定するらしい。
今年(2019年)も構成文化財として4件追加されたとか騒いでいるけど,なんだかなぁ。力が入らない。ストーリーってなんだ?作文か?
”炭鉄港”だなんてまったくワケワカランし,文化庁のやることはチグハグだらけ。有形無形の個々の実体を大事にしないでどうする。
指定年 最終更新日
北前船寄港地・船主集落 2017.04.28 荒波を超えた男たちの夢が紡いだ異空間
15道府県にまたがる
2019.05.23
石狩市に関して追加認定された構成文化財
2018年 旧・長野商店,金大亭,古潭神社のみこし,厚田神社の船絵馬の4点
2019年 八幡神社鳥居,弁天社狛犬,旧白鳥番屋,浜益沖揚げ音頭の4点
国指定史跡
国によって指定された,歴史・学術上価値の高い遺跡
指定年 最終更新日
庄内藩ハママシケ陣屋跡 1988.05.17 安政6年に蝦夷地警備を行った荘内藩の大手門や土塁・掘・建物の造成跡など
国指定名勝
国によって指定された,歴史・学術上価値の高い遺跡
指定年 最終更新日
ピリカノカ 黄金山(ピンネタイオルシペ) 2009.07.23 アイヌのユカラに謡われた物語・伝承の舞台
北海道指定有形民俗文化財
北海道によって指定された,歴史・学術上価値の高い遺跡
指定年 最終更新日
石狩弁天社の鮫様 2007.03.20
金龍寺の鮫様 2007.03.20
北海道自然環境保全指針
「保全を図るべき自然地域」のうち,他の地域より比較的秀でている「すぐれた自然地域」に指定
指定年 最終更新日
石狩海岸 1989.07 銭函から厚田に至る海岸植生,天然林,砂丘・砂浜,干潟,特異な動物の生息地
石狩川下流部湿原 矢臼場のヤチダモ,ハンノキ,ミズバショウ群落,森林性鳥類繁殖地
雄冬海岸 厚田から増毛に至る海岸植生,海鳥類繁殖地,大規模海蝕崖
北海道指定記念保護樹木
由緒・由来のある樹木又は住民に親しまれている樹木のうち、郷土の記念樹木として保護することが必要なもの
指定年 最終更新日
赤だもの一本木 1972.03.25 推定樹齢300年,生振の開拓記念木 (農協倉庫脇のハルニレ)
北海道指定環境緑地保護地区
環境緑地として維持又は造成することが必要な地区
指定年 最終更新日
実田神社 1987.10.05 シナノキ、エゾエノキ等の樹林地、オオムラサキ
新・日本名木100選
1990年開催された「国際花と緑の博覧会」(花博)に合わせ、花博協会と読売新聞社の共催で企画
指定年 最終更新日
千本ナラ 1990 推定樹齢800年,幹周4.86m,浜益区送毛の3本のミズナラ
森の巨人たち百選
国有林で,次世代への財産として健全な形で残していくべき巨樹・巨木を選定 [主催・林野庁]
指定年 最終更新日
浜益の千本ナラ 2000 幹周480cm,樹高18m,浜益区送毛の3本のミズナラ
環境省 巨樹・巨木林調査
調査対象は、原則として地上から1.3mの高さでの幹周が3m以上の木 ⇒ 巨樹・巨木林データベース
指定年 最終更新日
黄金山のイチイ 2000 推定樹齢1500年,幹周5.4m,樹高18.0m (全国18位,道内5位)
環境省 日本の重要湿地500
ラムサール条約締約を受けて生物の生息地として規模の大きな湿地や希少種が生息する湿地などを選定 ⇒ 重要湿地
指定年 最終更新日
石狩川(河口域) 2001 底生動物・ヤマトシジミなどの生息地
環境省 生物多様性の観点から重要度の高い海域
海洋の生物多様性の保全と持続可能な利用の推進に資する
指定年 最終更新日
石狩湾(沿岸域) 2013 石狩湾一帯を含む海域
未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選
漁村の歴史・文化,地域に伝わる漁法や漁業史に残る出来事,言い伝えなどに関連した施設を選定 [主催・水産庁]
指定年 最終更新日
石狩市はまます郷土資料館 2006 明治32建築,網元・旧白鳥家の鰊建網漁場の番屋
「にしん街道」標柱
「にしんルネサンス事業」により,日本海に沿った約700kmが「にしん街道」と名づけられ,各市町村に標柱を設置
設置年 最終更新日
にしん街道 石狩市厚田区 画像 2008 押琴の泊は、弁財船が三十隻も停泊できる良港で運上屋も建てられた
にしん街道 石狩市浜益区 画像 2008 浜益は、アイヌ語では「ヘロクカルシ」(にしんをいつも獲るところ)と呼ばれた
北海道開発局 ビューポイントパーキング
ふと立ち止まりたくなるような北海道らしい酪農風景、田園風景そして花畑など景観に優れた駐車場
設置年 最終更新日
望来駐車場 画像   国道231号,道道望来当別線交差点から札幌方向へ約200m
白銀の滝駐車場 画像   国道231号増毛町と石狩市の境界より南へ約800m
北海道民有林治山林道100選 (うち林道部門は 40)
林道としての機能の維持,地域との結びつきなど,などさまざまな観点から審査,選定
選定年 最終更新日
森林基幹道浜益実田線 【銀賞】 2009 旧・浜益村
広域基幹林道古潭越線 2009 旧・厚田村
石狩市指定文化財
自分たちで選んだ自分たちの文化財,というのも手前味噌の極みなのでやや気が引けるが。
指定日 最終更新日
石狩弁天社 1967.12.22 1694(元禄7)年創建,1874(明治7)年に現在地に移築
旧白鳥番屋 1981.12.09 「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財百選」指定
旧浜益村指定文化財
チョウザメの剥製 1982.03.31 1969(昭和44)年石狩川河口で捕獲された体長1.9mの雌の成魚
石狩八幡遺跡ワッカオイ地点第20号墓出土の土器 1982.03.31 石狩川改修工事にともなう遺跡発掘調査で発見された続縄文時代末期墳墓
旧長野商店 1994.03.28 1894(明治27)年建築で,和風の町屋型式と洋風のアーチ窓が折衷された木骨石造建築
金子家文書 1999.04.22 花畔の金子仲久が石狩市に寄贈した文書
石狩弁天社の手水鉢 2013.03.28 1789(寛政元)年の奉納。「江戸本材木町 小林店喜兵衛」とあり,江戸と石狩との関わりを示す資料
石狩紅葉山49号遺跡出土の木製品 2015.07.24 紅葉山砂丘の麓を流れていた約4000年前の川と人々との関わりを示す貴重な資料
古潭龍澤寺の鰐口 2016.10.27 弁財船も投錨した厚田場所発祥の地・押琴,古潭の弁天社に奉納されていた2点の鰐口


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