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2009年
夏 典型的な夏型パターン
4/中の融雪による増水で川への張り出し部分が削られる。
7/19前線を伴う低気圧の通過で大雨。7/20河口水位は96cmに達し川岸は一気に後退した。沿岸漂砂もかなり増加したものと思われる。
冬 典型的な冬型パターン
沿岸漂砂の動きにより,秋も堆積局面が継続,先端が成長する。
12/31-1/1強い冬型気圧配置で海大荒れ高潮。逆流により河口水位は105cm。成長していた先端が削られる。
調査を始めた最初の年に,夏冬ともにわかりやすい特徴的な動きをみせてくれたことが,その後も継続して調査することへのひとつの励みになったことは疑いない。 |
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2010年
夏 典型的な夏型パターン
3/21低気圧の通過により暴風(最大風速・西北西16.5m/s)と大雨。高潮と増水が重なって河口水位は110cmに達する。川岸はやや後退。
5/上の暖気による融雪,および前線通過による大雨で河口水位80cm前後の状況が長引き川岸後退。
5/中から6/,川も海も平穏で先端が大きく伸び出す。水制工延長線からおよそ55m。
7/下から8/にかけての低気圧,台風による大雨の水勢で,伸びた先端は削られる。
冬 典型的な冬型パターン
10/26早くも冬型気圧が強まり海が荒れて高潮による河口水位は100cm。先端がやや川方向へ押し戻される。
先端が扁平になって川側へせり出すというのがひとつの冬型パターンなのだが,12/下から1/下にかけてこの動きを導いた特異な気象条件が見当たらない。冬型暴風による高潮も,河口水位でせいぜい73cmどまり(1/6)。 |
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2011年
夏 典型的な夏型パターン
4/中から5/上にかけて融雪,降雨などiにより4回ほど河口水位上昇(80〜90cm強)。4/上までせり出していた川岸は後退。
その後6/,7/,8/と川も海も平穏。先端が長く伸び出る。水制工延長線からおよそ85m。
9/4-6連続台風12,13号による大雨(河口水位110cm)の水勢で川岸が強く浸食されてさらに後退。伸びた先端も削られる。
冬 やや曖昧な冬型パターン
大きな動きに乏しい冬だった。9/の大雨により沿岸にかなり大量の漂砂が供給されたことが,その要因だったと思われる。
12/5冬型気圧配置で石狩地方猛吹雪。最大風速・西北西16.9m/s。高潮による河口水位は96cmまで上昇したが地形変化はごく僅か。
その後も大きな気象要因は見当たらない。
3/にかけて,川側はもとより海側へも堆積が見られる。 |
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2012年
夏 やや曖昧な夏型パターン
4/4低気圧が発達,最大風速15.5m/sで高潮により河口水位91cm。4/下から雪解けが進む。4/27には増水して河口水位91cm。
このとき後退した川岸のラインはその後夏の間ほとんど変化せず。
6/に入って先端が小さく伸び出す。最大で水制工延長線から30mほど。
6/,7/,8/川も海も平穏。
9/12気圧の谷の影響で激しい雨。河口水位79cm。出ていた先端が削られる。
冬 やや曖昧な冬型パターン
極端な動きはないが,日を追って全体に海側から川側へと動いている。
低気圧の発達で大荒れ。3/2-3最大風速14.0m/s,河口水位85cm。3/9-10最大風速13.9m/s,河口水位72cm。これらにより先端が川側へと膨らんだものと考えられる。 |
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2013年
夏 曖昧な夏型パターン
4/7-8暴風に大雨が重なる。最大風速13.3m/s,河口水位111cm。先端の川岸が削られ,水制工延長線を40mほど越して突出。このように4/に大きく膨らむのは特異なパターンである。
5/,6/,7/,8/川も海も平穏。先端は短くなりながら,川岸はやや盛り返す。夏パターンとしては曖昧。
冬 典型的な冬型パターン
冬季を通して先端が次第に扁平化しつつ川幅を狭めるようにせり出して,冬型の典型的なパターンを取り戻す。
11/8低気圧が発達し,風(最大風速13.7m/s)と雨で河口水位107cm。
12/15強い冬型配置,石狩最大風速15.0m/sの高潮で河口水位88cm。
さらに1/末には継続して強風の日が続き,これら冬特有の気象条件が作用したものと考えられる。 |
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2014年
夏 普通の夏型パターン
4/4-5前線による雨の増水で川側せり出し部が削れる。
5/17風と雨により河口水位79cmなどで川岸の膨らみが徐々に消滅。
6/中先端100mほど沖合に島状の砂州を確認。8/大雨で河口水位が80cm弱まで上がる日もあったが大きな地形変化は見られず。
8/中-10/上海も川も穏やか。9/9沖合にできていた島と砂嘴が繋がり,結果的に砂嘴先端がひょろ長く伸び出した形となる。
冬 典型的な冬型パターン
11/上,12/中発達した低気圧による強い風。11/3は雨も伴い河口水位95cm,12/17は高潮で河口水位75cm。
1/7にも低気圧による強風で,河口水位104cm。
これら冬型気象条件により先端は川幅を縮小するように変形する。 |
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2015年
夏 やや曖昧な夏型パターン
4/3低気圧の発達による雨と風(風速13.9m/s)で,河口水位78cm。川側の凸部が削られる。
2013年より小さいが,4/にもっとも大きく成長する特異なパターン。
5/中には過去最大規模の中海が2ヶ現れたが間もなく干上がり姿を消す。
5/-9/気象的に目立った動きがなく,それに伴って地形的にも変化に乏しい夏だったといえるだろう。
冬 典型的な冬型パターン
10/2発達した低気圧による雨と風で河口水位104cm。
10/25冬型気圧配置による強風(最大風速13.9m/s)で河口水位92cm。
12/26低気圧による高潮で河口水位75cm。
これらにより先端地形を川側へと押し出し,8年間でもっとも川幅を狭めた。
同時にこの冬の特色として,先端部海側の汀線が1/以降厳しく浸食されて後退した。 |
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2016年
夏 典型的な夏型パターン
4/中融雪と降雨による増水(河口水位80cm弱)。3月までに張り出した部分が削られる。その後は8月まで,前年同様動きの少ない年で,そのまま安定するものと思われた。
しかし8/中以降台風7,11,9号が連続して襲来,状況は一変。河口水位は8/17=92cm,8/21=119cm,8/23=108cmを記録。一気に浸食されて先端の川岸が大きく後退する。海側の汀線も3/以降後退したままだったので,8/末時点では先端は過去8年でもっとも痩せ細った地形となる。
冬 みごとな逆パターン(夏型パターンが継続)
8/の増水で河口から流れ出た大量の沿岸漂砂の挙動が注目された。
10/上,11/上の暴風による高潮(河口水位80〜90cm)によりいったん先端が押しつぶされた(冬型の動き)が,その後の冬季間は極端な暴風,高潮は観測されなかった。
海側汀線では部分的に浸食されたが,先端近くでは冬にもかかわらず堆積が優勢な局面が続き,砂嘴が海側へと膨らむ夏型パターンに近い動きとなって現れた。 |
2016年春から2017年春にかけての1年間を通して,川側から海側へと揺れ動く特異な年となった。8月の台風がもたらした浸食と漂砂(堆積)の結果といえる。 |
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(2018.03.30 一部差替)
3/3 ⇒ 3/18 |
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2017年
夏 動きの少ない夏型パターン
その直前の冬季が夏型パターンで経過し海側へと膨らみ続けたため,それ以上海側(左)へ揺れる余地が残されていなかったと考えられる。左右での動きの量は小さい。
9/まで融雪,降雨による河口水位の極端な上昇はほとんどみられず。
昨夏流出した漂砂がまだ河口周辺の沿岸に浅瀬を形成しているものと思われ,穏やかな気象とも重なって砂嘴先端の伸長が確認された。
冬 典型的な冬型パターンに戻る
10/末まで比較的穏やかに経過。
11/11急速に発達した低気圧による強風(最大風速14.9m/s)で河口水位113cm。
12/25 暴風(最大風速18.3m/s)で河口水位100cm。(有義波高6m超)
3/2 強風(最大風速16.8m/s)で河口水位81cm。(有義波高5m超)
これらを中心に海側が浸食を受け川側へと強く押し出された。 |
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2018年
夏 典型的な夏型パターン
4/-6/ 融雪,降雨による水位上昇は少なかった(河口水位でたかだか50cm強)ため,冬季の張り出しは徐々に押し戻されつつもある程度は維持されていた。
7/3 からの大雨で石狩川が大増水,河口水位も一気に上昇,7/5 には110cmを記録。川岸は最大40mほど削られて2016/8/ のレベルまで後退した。伴って流出したであろう沿岸漂砂がその後堆積することにより砂嘴の先端が成長した。
冬 典型的な冬型パターン
9/-12/ 長さの出入りはあるが先端の肥大傾向が継続。
12/末以降冬型気象が強まり,先端が潰され川側へと押し出される典型的な冬型の動きとなった。
2/4 強風(最大風速14.2m/s)で河口水位77cm。(有義波高5m超)
特異な動きとしては,川側へと同時に海側へも一部膨らんでいることである。 |
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2019年 (new)
夏 動きの少ない,あえていえば冬型パターン
川側の汀線は驚くほどに変化が見られない。融雪/降雨による極端な増水はなかったのだろう。
海側でも動きは少ないが,北からの圧力が常時加わっているようで,先端部前浜が浸食され続けている。
夏季にこうしたパターンになるのは川から供給されるはずの沿岸漂砂の欠乏が要因ではないだろうか。
秋の時点では先端浜崖の浸食までには至っていない。
冬 引き続き典型的な冬型パターンで経過
秋以降通常の冬型パターンで北からの圧力はさらに強まる。浜崖も北から徐々に浸食され始め,先端を削った土砂が押し出されて川幅を狭める。
2/下には浸食は管理道路の先端にまで及ぶ。
3/10,11 最低気温もプラスに転じ融雪が進むと同時に降雨により川が増水,その勢いで川にせり出していた突起が押し流されてしまった。 |
2019年は,2016年と逆のパターンで1年を通して海側から川側へと揺れる特異な年となった。
そしてその傾向は2020年にも引き継がれる。
参照 : 2019年秋,河口狭まる |