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石狩川河口での遭遇

番外 03

定点観察

− 中道の突き当りの崖

もくじ
石狩の「これ,なぁ〜に?」』 - はまなすの丘の道しるべ から
定点観察に関する記述のみ切り離して 『石狩川河口での遭遇』 のサブフォルダとして独立

2010.01.28 公開
2014.10.27 独立
2017.11.13 更新

2008年秋から2009年春にかけての冬期,浜崖は荒波により数ヶ所で食い破られた。
2009年春以降,崖が欠損したいくつかの地点を定点観察点と定めて,その後の形状の推移を数年間追跡した。

そして現在でもそのうちのひとつ(T点)については浜歩きする都度執拗に追い続けている。
T点とは,東屋から砂嘴を横断する中道の突き当りの崖のことである。


2009年

2008.11.13

2009.04.24

2009.05.29

2009.06.25

2009.07.29

2009.09.17

2009.10.10

2099.11.06

2009.11.30

2009.12.25


2010年

2010.01.24

2010.02.21

2010.03.18

2010.03.25

2010.04.19

2010.04.24

2010.05.17

2010.06.13

2010.07.31

2010.09.13

2010.10.16

2010.10.28

2010.11.23

2010.12.21
2010.02.21崖は激しく侵食されて後退したようだ。定点観察の目印(道しるべ)の赤旗が失われては"定点観察"もままならない…

2010.03.18 植物保護センターで2mおきに打ち込んだという杭は,No.6,7,8を残すのみ。10m以上崖は削られたということか。その分だけ崖下の砂浜が広がったようだ。

2010.03.25 貨物船を座礁させるほどの暴風と波浪が荒れた4日後。ここの崖もさらに侵食されていた。このあたりから砂嘴先端に向かって崖下の砂の堆積が著しい。崖の高さはかつての半分,1.5mほどになった。さらに進むと,段差がほとんど埋まっていたり,すっかり平坦になっていたり。

2010.04.24 4月になると崖の高さはいよいよ低くなり,1mあるかなしか。頑張れば上り下り可能。崖の下にさらに砂が堆積したのだろう。

2010.05.17 植物保護センターで設置した杭の位置からすると,04.19この日とではほとんど変化がない。この1ヶ月間は崖の侵食は止まっているようだ。逆に崖下の堆砂は著しく進んでいる(定点観察の写真参照)。

2010.06.13 この1ヶ月間では,崖の侵食も堆砂もほとんど変化なし。ここから上り下りしている様子もうかがえる。

2010.10.28 相変わらず平穏無事。しかしここから100〜200m南西の崖は,この1ヶ月間で著しく侵食された。130mほど離れた地点での09.1310.28では崖は2mほど後退して切り立っている。

2010.12.21 前月までとは様相が一変した。崖の後退は数10cmと思われるが,鋭く垂直に削られて,中道を整備する際に敷いたと思われる薄い砂利の層がくっきり。崖下の堆砂が波にさらわれて崖の高さが120〜130cmにもなっている。ここから50〜70m南西では崖ギリギリまで波が迫り,崩壊も激しい。

2011年

2011.01.24

2011.02.19

2011.03.28

2011.04.12

2011.05.19

2011.06.11

2011.07.03

2011.07.21

2011.08.17

2011.09.19

2011.10.21

2011.11.22

2011.12.21
2011.03.28 この冬は年が明けてからの積雪が深く,1月2月の崖はすっかり雪に閉ざされていた。3月,ようやく姿を現した崖は,雪ならぬ堆砂でほとんど上端近くまで覆われていた。12月に顔を出した砂利の層はもはや見えない。この冬最も侵蝕されたここから南西の崖にも,大量の砂が運ばれてきている。

2011.07.21 5月以降崖の形状には変化なし。7/3には崖下にタイヤが置かれていたり,7/15には踏み台が作られていたりして,人為的な改変が見られた。上り下りにはラクではあるが…

2011.10.21 相変わらず崖の形状に目立った変化はないが,崖の下に砂が堆積して踏み台が半分近く埋まっている。その傾向は 2011.10.09 の写真でも現れている。
この夏5/19以降9月末まで,最大風速が7m/sを超した日は9/2(台風12号に伴う前線の影響)の1日だけ。(気象庁のHPより。石狩のアメダス地点=生振)
それに対し9月に入ってからは1,2,7,12,17日とすでに5日観測されていて,いずれも西よりの風。この風が砂を飛ばして崖下に運んだものだろう。(溜まり方からして,波が運んだものとは考えにくい)

2012年

2012.01.18

2012.02.18

2012.03.16

2012.04.21

2012.05.24

2012.06.19

2012.07.23

2012.08.24

2012.09.26

2012.10.25

2012.11.28

2012.12.13

2012.12.29
2012.02.06 崖から汀線までおよそ20m。そのちょうど中ほどにもうひとつのミニ崖(バームが浸食されてできた低い崖)が生成されていた。砂の層の厚みは30cm程度,その上に50cmほどの積雪層が被さっている。

2012.02.18 さらに8mほど海側に伸びていた汀線からのミニ崖

2013年

2013.01.21

2013.02.10

2013.03.12

2013.04.22

2013.05.28

2013.06.23

2013.07.20

2013.08.12

2013.09.06

2013.10.19

2013.11.24

2013.12.18
2013.04.22 崖下に置かれていた踏み台。昨年中はなんとか露出していたが,とうとう見えなくなった。
それだけ崖下に砂が堆積したということを意味する。崖はほとんど段差がなくなった。

2014年

2014.01.19

2014.02.24

2014.03.17

2014.04.26

2014.05.28

2014.06.25

2014.07.18

2014.08.26

2014.09.18

2014.10.24

2014.11.20

2014.12.19
2014.10.24
このところ顕著なのは,崖下への植生の進出である。
2011年には早くもオニハマダイコンが芽生え,そして2012年になるとハマニンニクなどが崖下に下りてくるきざしがみえたが,それらはまだまばらな点状の動きだった。
それに比べると,2014年では明らかに帯状になっている。
2011年以降,このあたりは波の浸食をまったく受けず,堆砂により2013年以降では崖の段差もほとんどなくなったこと,などによるものだろう。
2008年から2010年にかけての浸食により大きく後退した砂丘草原が,再び前進し始めたことを物語っているようだ。

当初は,浸食による浜崖の形状変化を記録することが主眼だった定点観察は,徐々に,波浪によっていったん失われた海浜植生の回復を期待することに重心が移行しつつあるように思える。
とんでもない荒波が襲いかかり,せっかく回復しつつある植生を根こそぎ持ち去るなんてことのないように祈るのみだ。

2015年

2015.01.14

2015.02.17

2015.03.14

2015.04.25

2015.05.14

2015.06.20

2015.07.16

2015.08.13

2015.09.21

2015.10.10

2015.11.11

2015.12.12
2015.01.14
1月,これほど雪が少ないのも珍しい。
砂嘴の先端方向を見ると,崖下の植生(ほとんどがハマニンニク)たちが競って顔を出している
2015.02.17
本町築堤で朝陽を撮ってから歩き始めての9時少し前。逆光。相変らず雪はほとんどない。
沖合には,中央埠頭へと向かう巨大なLNGタンカーが浮かぶ。
2015.05.14
浜崖から植生限界までの幅はおよそ10mと変わらない。
2015.10.10
10/2の爆弾低気圧,そして10/8,9の大型台風の爪痕は,浜崖までは及ばなかったものの寸前まで迫ったようだ。
バーム(汀段)が浸食されて植生限界を3〜5m後退させ,高さ50cmほどのミニ浜崖が形成されていた。
それより浜側にあった流木類はゴミと一緒にすっかり洗いさらわれて綺麗な浜になっていた。
でも,クジラのホネまで失われたのは哀しい。
2015.11.11
このあたり,少しずつさらに浸食されつつあるようで,バームのミニ崖はまた若干後退したようだ。
一時回復して浜崖から10mほども広がった植生限界は,いまでは3mそこそこまで狭まっている。
この冬の浸食のターゲットになっているのかもしれない。
2015.12.12
さらに浸食が進んで,向かって右側40mのあたりでは浜崖ぎりぎりまで削られている。

2016年

2016.01.23

2016.02.25

2016.03.22

2016.04.16

2016.05.24

2016.06.20

2016.07.25

2016.08.18

2016.09.20

2016.10.22

2016.11.26

2016.12.18
2016.01.23
花川ではここまでは雪の少ない冬だったが,浜ではそこそこな雪。
浜歩きには絶好の日和ではあったが,9時ころの西風は厳しい冷たさだった。
この位置での浸食は進んでいないが,車両進入防止柵あたりでは前年に続いてかなり無惨。
2016.09.20
昨年も9/21にバームが浸食されていた後10月にさらに強く浸食されたことがあるので,やや気になるところ。

2017年

2017.01.16

2017.02.15

2017.03.08

2017.04.24

2017.05.25

2017.06.20

2017.07.22

2017.08.21

2017.09.11

2017.10.14

2017.11.13
2017.01.16
2010年12月以来,ほぼ6年ぶりの浸食に晒された。
垂直に切り立った崖の高さは2mほど。上り下り不能。
それでも目印のポールは健在で,もとの浜崖はかろうじて浸食を免れている。
春まで予断を許さないが・・・
2017.02.15
1月時点より浸食はさほど進んでいないように見える。
2m以上の崖をまわりこんで上がって確かめると,ポールは崖際から数10cm。
2017.03.08
とりあえず浸食は止まったようだ。
踏みとどまっているポールを崖の上から撮る。ガンバッタね。
2017.04.24
訪れた客が上り下り可能なように,監視員氏が崖を崩してくれたようだ。(上から)
2017.05.25
5/9にはすでにできていた流木の階段,この日も健在。補修もされているようだ。
2017.06.20
流木階段を維持するのもなかなか大変みたいだ。
2017.07.22
T点から100mほど砂嘴付根方向で汀線が崖近くまで迫っている。次の浸食はこのあたりかもしれない。
2017.08.21
崖下への植生の進出。ほとんどオニハマダイコンばかりだが,中にはハマニンニク,ハマヒルガオ,ハマニガナなども下りてきている。
2017.09.11
状況変わらず。どうやら浸食される局面からは遠ざかっているようだ。
2017.11.13
11/11から11/12にかけて大荒れだった。新港の波浪計によると,有義波高が6mを越す波が10時間近く続いたようだ。
浜崖の浸食もかなりの長さに亘っている。この辺りはさほどではないのだが,ポールは1本倒れ,階段は破壊された



5年間での浜崖浸食/後退の様子

2010年春から2014年春まで
いしかり市民カレッジ 第1回配布資料 より
全体図 A部拡大図 B部拡大図
A,B部拡大図の黄数字は,2009年5月から2014年3月までの浜崖の後退距離 (ただし概数)
定点観察点は,図にあるように当初4点設定(T,U,V,W点)
現在まで継続して定点観察をマジメに続けているのはT点のみ。(他の点はかなり気まぐれ観察)
T点より先端方向については,2011年春以降浜崖の浸食/後退は見られない。
2012年の冬以降は,全体に浸食の度合いが軽減していて,それもU点より付け根方向のみで発生していることがわかる。



崖下植生たちの変化の様子を追う

最初の行を除いて,基本的に植生たちが最も元気のいい7月ないし8月の情景を選択

撮影日 砂嘴の先端方向 砂嘴の付け根方向 コメント
2011.03.28 T点の浜崖が現状に固定された雪解け後の最初の情景。
大量の堆砂があり,かつ芽吹き前なので崖下には植生を確認できず。
2011.07.21 オニハマダイコンが点々と芽吹く。
2012.08.17 オニハマダイコンに混じって,ハマニンニクも下りてきている。
2013.08.22 植生の拡がりがかなり進んできていることがわかる。
2014.08.26 ハマニンニクがほとんど密生。
とりわけ砂嘴の先端方向に勢いよく帯状に連なっている。
付け根の方向にはさほど伸びていない。
2015.08.13 汀線方向への新たな前進(拡がり)は見られない。
しかしかつての浜崖からほとんど完全に植生帯が繋がっている。
2016.08.24 前年に比べて明らかに植生の幅がかなり狭くなった。
浸食されて,植生が後退したのだ。
ここらへんの経緯については,[続]崖下の植生たち を参照してほしい。
2017.04.24 T点のあたりは,2016年12月以降,2017年1月半ばにかけて厳しい浸食を受けた。(その1,2,3月の様子はコチラ)
浜崖はほぼ直角に切り立ち,崖下の植生は砂と一緒にすっかりさらわれた。
雪が解けた4月,崖下には新たに堆砂が見られるが植生の姿はまだない。
2017.08.21 ほとんどがオニハマダイコンだが,ハマニンニク,ハマヒルガオ,ハマニガナなどの姿も崖下にチラホラ見られるようになった。
波に襲われなければ,植生たちは再び崖下を覆うことになるのだろう。
逞しい。



植生限界調査

2014.11.01
2008年以降,激しく波に浸食された浜崖の下で海浜植生のしたたかな復活再生の兆しが見えてきている。
現時点で,崖下に植生たちがどのくらいの幅で進出しているのか,調べてみた。

浜崖が浸食されるパターンは必ずしも一様ではない。
ときに高波に一気に乗り越えられて,V字型に抉り取られるケースがある。
これは2008年から2009年にかけての冬に数ヶ所で確認され,その後の定点観察点の目印として利用した。

多くの場合では,幅数十mから数百mにわたって削り取られる。高さ3m以上の崖でも,ほとんど垂直に刃物で削ぎ落としたかのように持って行かれる。しかも崖直下まで波に洗われていることが少なくない。
こうした場合,崖上の植生が受けるダメージも計り知れないが,その前に崖下に下りてきていたかもしれない植生たちにとっては根こそぎさらわれてしまうわけで,壊滅的なダメージとなる。崖下ではまさにゼロからの出発なのである。
T, U, V点は,定点観察点
(定点観察点については,上記”5年間での浜崖浸食/後退の様子”参照)
A点は,2009年の浜崖線よりも,現在の植生限界がすでに汀線側に広がり始めている点で,T点からおよそ160m
B点は,浜崖のもっとも砂嘴先端側の点で,2009年当時と現在とほとんど変化はない.T点からおよそ360m

撮影点 植生の状況 コメント
V点から付け根方向 V点から砂嘴の付け根方向では2014年の冬にも崖が浸食された。
そのためここでは植生の回復はまったく見られない。
V点近傍 浸食を受けなかったため,まばらではあるがハマニンニクなどの植生が見られる。
実測によると,浜崖から崖下の植生限界まで約6mである。
V点〜U V点とU点との間では,2013年の冬に浸食を受けている。
そのためまだ崖の傾斜がきつく,かつ崖下にはかなりの堆砂が見られる。
植生の回復は遅れていて,堆砂の端にオニハマダイコンが点々と芽吹いているのが見られる程度である。
U点〜T ここでは2012年以降の浸食はないが,2010年から2011年にかけての冬にどこよりも激しく浸食されて20mほど崖が後退した。
T点までの崖にはまだかなりの高さがあるためか,ハマニンニクなどの復活は見られるが,まばらな感じ。
T点から先端方向 T点から砂嘴の先端方向へは浜崖はいくらか小高くなっている程度で”崖”といえるほどのものではない。
そのため植生たちは容易に崖から下に根を伸ばせるようで,ほとんど崖から連続的に帯状に広がっている。
実測によると,浜崖から植生限界まで植生の幅はT点で約10m。
p1 T点から60〜70mのこのあたりで,植生の幅は一気に20mほどに。
左の写真は,p1からまっすぐ浜崖の方向を望んだものである。
A T点からおよそ160mのこのあたりで,植生たちは2009年の崖のレベルよりも汀線側へと進出している。
5年間で砂丘草原化している回復力には驚かされるものがある。
p2 ここはもうかなり先端に近いが,植生限界がすでに小さな浜崖を形成している。
B T点からおよそ360m。
現在の浜崖のもっとも先端のあたりの植生限界。
ここでは植生の幅は40mほどにもなっている。
p3 上の位置からさらに80mほど。砂嘴先端の形状同様植生限界も湾曲する。
ここから振り返った写真である。
汀線側の砂浜との間に,低いが明らかに段差が形成されている。



[続] 崖下の植生たち

2016.06.05
2015年10月,T点近辺としては2010年春以降5年ぶりに激しい波に襲われた。
それも真冬の荒波ではなく,秋の低気圧と台風によるものだ。
浸食はさいわい浜崖にまで達してはいないが,崖から下りて広がりを見せていた植生たちはかなり削られて後退した。
T点あたりでは10mほどになっていた崖下の植生の幅はおよそ3mに短縮し,高さ50cmほどのミニ浜崖が形成された。
この崖が定着すれば,3mほどでも浜崖の前進,ということになるのだが・・・
撮影日 砂嘴の先端方向 砂嘴の付け根方向 コメント
2015.09.21 この段階では,ほぼ1週間前の 2015.08.13 の状況とほとんど変わらない。
崖下に下りた植生たちは元気いっぱい。

しかし・・・

10月に入るなり爆弾低気圧と大型台風に立て続けに襲われる。
2015.10.10 汀線近くから遠望した画像である。
バームの浸食はT点より先端方向50mあたりから始まって,T点より付け根方向のU,V点あたりまで続いている。
U点とV点の間にあったクジラの背骨も持って行かれた。
T点でもバームが削られた跡が50cmほどの高さのミニ崖になって残った。
もとの浜崖からこのミニ崖まではおよそ3m。
したがって6〜7mほどの幅で植生が削られて消失したことになる。
2016.05.24 冬期の浸食は見られず,これまでのところこの近辺では形状に変化はない。
ミニ崖の下に新たに砂が堆積し,植生たちが懲りずに進出しようとしている様子もうかがえる。

ガンバレッ!


浜崖前進の予兆

2016.09.03
すでに書いてきたように,荒波による浸食を受けかなり後退した浜崖も,一部で復活の兆しを感じさせる部分がある。
植生が崖下に下りて進出し定着することにより,崖上の植生とつながって浜崖=草原砂丘が前進する徴候がうかがえる。

なおこの場合の植生には,一年草のオニハマダイコンなどは除外して考えている。
あくまでも地下茎ないし根が伸びて砂を固定する多年草(主としてハマニンニク,および時にハマニガナ,ハマボウフウなど)が分布する限界をなぞって歩いて調査したものである。
【崖から下りてガンバる植生調査】
2016年7,8月時点で,砂嘴先端部(車両進入防止柵以北)での植生の崖下への進出は,上図A,B,Cの3ヶ所で確認されている。

このうちAは,定点観察点のT点のやや南から砂嘴先端に向かって延長およそ500mに及ぶ。
しかももとの浜崖を越えて植生がほぼ連続し,進出した部分もほとんど草原砂丘化している。
ここは2010年まで激しい浸食を受けて大きく後退することにより,当時の浜崖がかなり低くなったことにもよるだろう。

Bは延長70m程度。しかし植生は密で,かなり高い浜崖上の植生とほとんど連続しているので期待できる。

Cは延長200m。植生の密度はまばらで浜崖上の植生とは繋がっていない。
Cの南端から南方向へはここ1,2年浸食のターゲットともなっているので,植生たちがしっかり根付くことができるか予断を許さない。

参照 : 砂嘴先端2015 の まとめ



【A】
このあたりは昨2015年秋以降2ヶ所でバーム(汀段)の浸食を受けている。とりわけ先端部は激しい。
そのため浸食を受けた部分では2014年時点での植生限界よりも後退しているが,浸食を受けなかった部分についてはむしろ前進している。
上図の A1〜A6 の各点から眺めた画像を以下に示す。(2016.08.24 撮影)
ここで,"-a" は各点から砂嘴先端方向(北)を見たもの,"-b" は逆に砂嘴の付け根方向(南)を見たものである。
A1 は,T点から 約30m ほど南の点で,ここが現時点での植生進出の南側起点である。
A3 は,バーム浸食の南側端点近傍で,ここから植生限界はイコール崖となる。この崖が新たな浜崖になるのかどうか・・・?
A5 は,かつての浜崖の端点で赤旗が立てられている。

A1-a

A1-b

A2-a

A2-b

A3-a

A3-b

A4-a

A4-b

A5-a

A5-b

A6-a

A6-b

【A】 のエリア,崖下植生押し戻される

2017.03.29
2015年秋以降浸食局面を迎えたAのエリアは2016年8月以降も引き続き浸食が進んだ。
T点(中道の突き当り)近傍は2016年12月まではバーム部分が削られる程度(a)だったが,その後翌2017年1月の中ほどにかけて激しく浸食され,ほぼ2mの高さの垂直な崖状態(b)となった。
これは2011年の春のレベル(旧崖)まで崖が押し戻されたに等しく,5年近くかけてなんとか崖下に進出した植生はまたもやすっかりさらわれてしまったことを意味する。
ただし,進出植生が維持されている部分(上図で,白線と黄線との間)も広いところでは15mほどもあり,これがそのまま維持されると浜崖が前進したといえるだろう。
T点近傍
2016.12.18 (a)

2017.01.16 (b)

2017.02.15 (c)

2017.03.08 (d)
T点近傍での浸食は1月以降は収まっている(c,d)が,やや先端方向の汀線の凹みが持続しているので今後さらに浸食が進む可能性もあり油断できない。



【B】 & 【C】
B および C のそれぞれを北側からと南側から眺めた画像を付記する。(2016.08.24 撮影)

B

B

C

C

【B】 のエリア,やや後退

2016.11.01
7/25 の時点で長さ約70mにわたって最大で8m強の幅で崖下に植生が進出していたBのエリア。
9月に入ってバーム(汀段)の砂の部分がやや削られる傾向が見られたが進出植生は無傷だった。
しかし 10/11 に歩いてみるとバームの浸食が進んで植生部分も3mほど後退し,かなり高い崖が形成されていた。

9/20 の様子と 10/11 の様子を比較してみた。
a, b9/20 の,c, d, e10/11 のそれぞれ画像の撮影ポイント。

a

b

c

d

e
9/20 では砂の部分にわずかな段差がついて浸食が見られるが植生部分には及んでいない。
10/11 では植生部分にまで浸食が進み,かなり高い崖が生成されている。
しかし Google earth の背景画像に見られる2014年10月時点の浜崖は維持されていて,新たにできた崖までまでの間,およそ5mほどの幅で植生は健在である。
これ以上の浸食がなければ,植生の進出とともに浜崖の前進にもつながるわけだが,予断はゆるされない。

e は植生がなく崖下に砂のみが堆積していた部分で,面白い形の浸食による造形が見られた。

【B】 のエリア,辛うじて残った崖下植生

2017.03.25
Bのエリアはその後も浸食が続いて崖下に進出した植生領域は削られ続けた。
2016.11.26 の時点では崖下植生の長さは 約30m
年明け 2017.02.15 ではさらに短くなって 20m以下
その後は浸食を免れているようだ。

2016.11.26 a

2016.11.26 b

2017.02.15 a

2017.02.15 b

2017.03.27 b

2017.05.25 b
2016.11.26 は崖の上から撮ったもの。
2017.02.15, 2017.03.27 は汀線側から見上げたもの。
どちらも,a は砂嘴先端側からで,b は砂嘴の付け根側から見た画像である。
2017.05.25 かなり緑も濃くなってきた。
浸食局面では汀線が崖際まで迫るが,現時点での汀線は崖からおよそ30mまで後退している。
たかだか長さ20mほどだが,この部分の浜崖の前進はしばらく安定してくれることだろう。

【C】 のエリア,浜崖前進に新たな期待

2017.06.30
2016年夏の時点では,Cのエリアに比べてBのエリアは規模は小さいものの植生がかなり密生していて期待していた。
しかし9月以降の浸食が厳しくなさけないほどにこじんまりとしてしまった。
一方Cのエリアは,同様に浸食を受けながらも11月以降は比較的安定。
2017.06.20 あらためて詳しく調べてみた。
エリアの長さは約200mから約150mに短縮,植生のも狭まった(広いところで10m程度)とはいえBのエリアよりはるかに健在。
今後しばらくの間浸食を受けなければ崖下植生はさらに密になって浜崖の前進につながる期待感を抱かせてくれる。
なお黒線の2014.10.07の浜崖ラインと現在の浜崖ラインはほとんど変わらない。

a

b

c

d

e
エリアの両端には浸食の際の荒々しい爪痕がいまだに残る。(a,b)は上の図のa点,b点に対応。
段差に違いはあるが,バームの浸食を受けた影響でエリア全体が崖の上になっている。(c)
崖が低いので,植生も容易に下に根を下ろすことができそうである。
崖の上のもともとの浜崖との間は,植生がかなり密になってきているのがわかる。(d)
6月に入り暖かで陽射しの強い日,この辺りを歩くときは十分注意する必要がある。
場合によってはクマより厄介な生き物に遭遇してしまうこともあるのだ。
この日も植生調査にくたびれて足取り重く歩いていた。
すると(e)のくぼ地の辺りでとんでもないものを見てしまってぞっとした。
全裸の男が仰向けに寝そべっていたのだ。
日光浴するのはあなたの勝手かもしれませんが,お願いですからやっぱり慎んでいただきたいと思います。


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