■■■ 2013年の蜃気楼
2013.06.11 13:49 |
2013.06.13 14:00 |
観測点と蜃気楼の
位置関係 |
|
2013..06.23 A地点 |
2013.06.23 B地点 |
2013.06.11 A地点
幕末,松浦武四郎によって紹介されたこともある『高島おばけ』。
小樽から石狩湾上に見られる蜃気楼として昔から知られていたらしい。
それが近年,石狩から小樽へと逆方向に眺めても目撃されるという。
この日所用で立ち寄った砂丘の風資料館で,蜃気楼にも詳しいSさんに囁かれた。
『今日の陽気と風向きでは見られるかもしれませんよ』
川沿いに歩いて砂嘴の先端に着いたのが13:20頃。
小樽・高島岬の先に,肉眼でも小さな盛り上がりがあるような気がする。
ひと休みしてから,やおらデジカメのズーム(光学15倍,デジタル4倍)で挑む。
なんとか,岬の先の海面上に三角にわずかに盛り上がって見える蜃気楼のトド岩を捉えることができた。
もちろん通常この位置からでは水平線の下に隠れて見られない。
高島岬も下部がやや浮き上がっているように見える。
2013.06.13 B地点
この日もなんとなく見られそうな予感。
観測点を約3.8km南西の砂丘上に移す。
弱々しい蜃気楼ながら,この位置からではトド岩ともうひとつの小さな岩の蜃気楼も確認できる。
観察点と蜃気楼との位置関係(角度)を示す地図は Google earth を使用。
6/13の観察点からトド岩までの直線距離は約27km
地球半径を6300kmとして概算してみる
カメラの高さ(海抜)をHm,27km先のものが見え始める高さ(海抜)をXmとすると
ということになる。
トド岩の高さは22mということである
つまり,岩の先端が見えるか見えないか,かなりきわどい位置ということになる |
2013.06.23
可能性アリとみて行ってみると,北東の涼しげな風。
これではダメだね。南ないし南東の風でなくては…
しかたがないから比較のために,A地点,B地点からの蜃気楼のない普通の光景を捉えてみた。
■■■ 2014年の蜃気楼
全体図 |
撮影ポイントと時刻 |
a |
b |
c |
2014.05.20 |
2014.04.26 a, b, c 地点
最高気温23.0℃。この時期としてはかなり暑く,昼頃まで南東の微風。
10時からのはまなすの丘・景観保全作業は11時で打ち切りとなり,引き続き浜をひとまわりする。
昼頃から風は北寄りとなったが,a地点で蜃気楼を予感。
汀線を進むほどに新港・北防波堤の形が変化する。
b地点で蜃気楼を確信。c地点では防波堤がずいぶんせり上がった。
2014.05.20 同じc地点から撮った通常の姿と比べると違いがはっきり分かる。
この日は霞んでいて30kmほど離れた高島岬は視認不能。
たかだか6〜7km先の北防波堤がこれほど姿を変えることに驚く。
■■■ 2015年の蜃気楼
A (5/18) |
B (6/1 10:57) |
C (6/1 11:52) |
2015.06.01 高島岬・定点観察 (今年の定点は,車両進入防止柵が設置されている付近の崖の上 = 2014年のc地点)
今年は蜃気楼の不作年なのかもしれない。
南東風で,方向はよくてもやたらと強すぎる。気温もあまり上がらない。
4月,5月,結構足しげく通うもことごとくハズレ。
フラストレーションが溜まる中,6月初日はまたとない蜃気楼日和と思われた。
しばらく頑張っていたにもかかわらず,ついに目視での確認は不可能。
諦めきれず光学30倍のデジカメで何枚か撮って,ほぼ諦めて帰る。
パソコン画面で確かめると,11時すこし前の写真ではわずかにトド岩が写っている。(B)
今年の初・蜃気楼である。
だがほぼ1時間後の写真ではトド岩は沈下。(C)
ちなみに5/18の写真が通常の高島岬である。(A)
なお,11時12分 木道上から撮った写真でもトド岩が写っていることがわかった。
2015.06.08 またまた蜃気楼・・・
といっても 6/1 同様あまりにもケチな蜃気楼なのです。
今回も 12時57分 木道からの写真でお茶を濁します。
目を凝らしてよ〜く見てください。トド岩が写っています。(画面中央,やや下ですよ)
■■■ 2015年の蜃気楼 そのA
A (14:45) |
B (14:47) |
C (14:47) |
D (14:52) |
E (14:54) |
2015.12.23 車両進入防止柵が設置されている付近 (2014年のc地点) から。
この時期に蜃気楼など想定外だったが,ふと小樽方向を見ると不可解な光景が。
昨日は冬至。とはいえ海温はまだ必ずしも下がり切っていない。
今朝の石狩気温はアメダス発表でマイナス10℃。
午後でもシバレる寒さだが,南東の微風。海もこの時期としてはなんともいえない静けさ。
どうやら海上の気層は下が温かく,上が冷たい,下位蜃気楼発生の条件に適っていたらしい。
(初夏に見られる上位蜃気楼は逆に,下が冷たく,上が温かい条件で発生する。
いしかり砂丘の風資料館の志賀さん,ご指摘ありがとうございます)
ここからたかだか6kmあまりしか離れていない新港北防波堤とその先端の灯台。
14:45前後の数分間,海面から離れて浮き上がり異様な光景を呈していた。(A,B,C)
が,5分もするといつもに戻って平気な表情。(D,E)
2015.12.24 補足
(F) は (A) のおよそ2分ほど前に新港上空を撮った写真。
よく見るとすでに蜃気楼のパターンが明瞭であることがわかった。
(F) をトリミングしてやや拡大したのが (G)。(注釈記入済み)
もう少し早く気づいてじっくり観察していればよかった。
蜃気楼の予測について,気候条件を考えてみる。
北海道立総合研究機構水産研究本部中央水産試験場 で出している海況速報によると,2015年11月下旬から12月中旬における石狩湾表層の水温は例年よりやや低いものの +10℃程度。12/23時点でもあまり変化はないものと思われる。
一方気温の方は石狩(生振)のアメダス情報では,12/23は12月としては最も気温が低く,最低気温-9.3℃,平均で-3.0℃。
だから海面に接する低層が高温で,高層が低温という関係となり,下位蜃気楼の発生条件を満たしていたと思われる。
しかし風が強くて空気が撹拌されると蜃気楼は見られないが,この日の14時台は南東の風,平均風速3m/s未満と弱め。
実際には風はほとんど感じなかったが,寒かった。
さらに波浪状況も見てみよう。
国土交通省による全国港湾海洋波浪情報網(ナウファス)から入手した NOWPHAS 画像(上記)を見ると,この日は昼前から有義波高も有義波周期も小さく,いわゆるベタ凪。(これが1月下旬以降だったら,すわっ!群来発生とばかり,すっ飛んで行きたくなるような波浪状況である)
上記 (A〜F) の写真を見ても,海はまったく静かなことが分かる。
というわけで,水温,気温,風,おまけに波浪状況を知ることによって,ある程度蜃気楼発生を予測することが可能かもしれない。
ついでに23日は12月としては最低気温だった(いままでのところ)が,11/26 はもっと気温が低く,風は南東で微弱だったようだ。
もしかしたら11/26 も下位蜃気楼が見られたのかもしれない。
■■■ 2016年の蜃気楼
X 点
通常 → |
X (6/16 12:41) |
X (6/27 13:49) |
X (7/11 12:34) |
X (6/7 12:53) |
X (6/23 12:55) |
X (6/29 12:09) |
X (6/30 12:53) |
X (7/14 13:12) |
Y 点
通常 → |
Y (6/27 12:46) |
Y (6/7 12:25) |
Y (6/23 13:13) |
蜃気楼観察ポイントの記号がグチャグチャになりそうな予感。
ここで整理しておきたいと思う。(2016.06.07)
X 点 |
|
車両進入防止柵が設置されている付近の崖の上
= 2014.04.26 の c地点
= 2015.06.01 の 観察地点 |
Y 点 |
|
あそびーち海水浴場南端からさらに1kmほど南西の崖の上
= 2013.06.13 の B地点 |
2016.06.07 今年初めての蜃気楼。
この日はショウドウツバメを求めてY点近くの浜崖へ。
気温22℃,東の風2m/s。なんとなく蜃気楼がでそうっぽい。
自分の定点X点へ移動。
肉眼でも間違いなく蜃気楼であることを確認。
しかしここで大問題。
近頃デジカメがおかしい。
レンズの外側をいくら綺麗に拭ってもこうなるのだ。
カメラの内部に汚れが入ったのだろうか。
上の写真はうまい具合にトリミングで汚れから逃れることができたからよかったのだが。
2016.06.23 今年2度目のしみったれた蜃気楼。
どんなにトリミングしても,カメラ内部の汚れから逃れられず悲しい。
2016.07.17 X点からの高島岬
通常高島岬の先端はほぼ垂直に近い急峻な崖状となって海に落ちているように見える。
一方蜃気楼の場合はなだらかな傾斜で海に入る。これは後ろの緩い傾斜の海岸が蜃気楼によって浮き上がって見えるからだと考えられる。
通常の場合の 6/16 の画像のみは岬の先端が崖状とはなっていない。
とど岩が見えるほどではないにしても,微弱な蜃気楼状態だったのではないだろうか。
■■■ 2016年の蜃気楼 そのA
全体図 |
観察点 A,B,C |
A から (11:58) |
B から (11:59) |
C から (12:02) |
C から広く見る |
2016.11.11
今年は10月以降やたらと強い北西風が続き海が荒れる。
しかしこの日に限って絶好の浜歩き日和。
とはいえ寒い。最低気温はマイナス4.5℃(石狩のアメダス)。
歩いた時刻でもやっとプラスに転じて1〜2℃。
一方海水温はまだ高め。
海の上の空気は,下が高く上が低い・・・初夏とは正反対の条件。
2015年12月に続いて,見事な下位蜃気楼を観察することができた。
(同じ北防波堤でも,上位蜃気楼の2014年4月とでは明らかに見え方が異なる)
およそ6.4km先の新港北防波堤とその先端に設置された北灯台を,車両進入防止柵付近から観察した。
ほとんど同時刻(5分以内)にもかかわらず,3つの観察点からの見え方が明らかに異なる。
A は,この日の波打際。もっとも低い位置。
B は,Aから砂浜を14mほど入った地点。Aより1m程度高いと思われる。
C は,Bからさらに16mほど入った浜崖の上。標高はAより3m以上高いはず。
A からでは,下位蜃気楼特有の浮島(浮景)現象がくっきりと見て取れる(肉眼でもはっきりわかる)。
B からでは,浮き方がやや狭まる。
C からでは,水面にほとんど接してしまっている。
ただ,延伸工事で防波堤の先に打ち込まれたケーソン(通常の見え方 6/27)が上下対称のように見えるのも下位蜃気楼の特徴と思われる。
下位蜃気楼は逃げ水現象と同じ原理で発生するもので,とりわけ珍しいものではないという。
しかし,アスファルト路面に空が写りこんだかのような逃げ水同様に,実際の物体(たとえば防波堤)の下に空が写りこんで物体が浮き上がってしまう現象は,条件がそれなりに整わなくては見ることはできない。
今回分かったことは,見る角度,目の高さ(目線じゃなくて視線)ができるだけ低い方が浮島現象をしっかり捉えることができるようだ,ということ。
だから,砂丘の上(高台)から観察するよりも,砂丘から下りて波打際でしゃがんで観察する方がいいかもしれない。
■■■ 2017年の蜃気楼
X (4/24 14:58) |
ケチ臭い蜃気楼
の品評会 ⇒
(すべてX点) |
4/25 12:53 |
5/3 11:59 |
5/4 11:54 |
5/9 12:28 |
2017.04.24 今年初めての蜃気楼。
浜をひとまわりし,ヴィジターセンターで休憩中の14:10頃 2階の窓から確認。
再び外に出て,蜃気楼観察ポイントX点で再確認。
15:00 で 14.2℃,東南東の風3.3m/s。(石狩のアメダス)
トド岩は肉眼でも確認できたが,こうして見るとかなり控えめな蜃気楼だ。
2017.04.25,05.03,05.04
可能性のありそうな日はともかくX点へ。
4/25 およそ17℃,南南東風3〜4m/s,うす曇りで視界不良。トド岩のてっぺんが見えてるのやら見えてないのやら???
5/3 およそ21℃,10時過ぎまで南東の微風だったのにイキナリ西北西6m/s以上に変る。トド岩はまったく見えない。
5/4 およそ23℃,東風3m/sくらいから徐々に北向きに。4/24に迫るも,肉眼ではほとんど確認できず。
5/9 16℃前後,10時前から弱いけどずっと北西風。典型的な蜃気楼とは無関係な状態。水平線は真っ平。
●●● トド岩の有無とともに,高島岬の先端の海への落ち込み方がそれぞれ微妙にちょっとずつ違っています ●●●
■■■ 2017年の蜃気楼 そのA
A (7:54) |
A (8:00) |
A (8:15) |
B (7:29) |
B (8:23) |
C (7:46) |
2017.11.13 2015年,2016年に続いて3年連続の下位蜃気楼
朝陽を撮って砂嘴の先端をまわると不思議な光景。下位蜃気楼だ。
寒いとはいえプラス1℃そこそこ。この程度の冷え込みで発生するということは,海水温はまだかなり高めということだろうか。
A : 新港北防波堤と先端の北灯台。(Topics にはもう少し広角で捉えた蜃気楼を載せてあります)
B : 小樽市街(右側)方向。
C : 小樽港に向かっていると思われる貨物船。
特有の浮島現象が観察されるが,気温の変化と視点の位置で見え方もさまざま。
A(附) 灯台の先のケーソン(8:20)。(2016年参照)
■■■ 2018年初夏の蜃気楼 (上位蜃気楼 = 空気の温度が,海面から上に向かって上昇する場合)
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2018.06.12 もう見られそうもないので,突然,イキナリのまとめです。
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今年も結構足繁く通いました。ありそうな日(=朝からポカポカ陽気で風向きは南東)にはとにもかくにもX点へ。
しかし絵に描いたような蜃気楼にはついに出会えませんでした。つまるところ今年は,初夏の蜃気楼の不作の年でした。
蜃気楼を邪魔するふたつの条件があります。
【1】 お昼前後に決まって風向きが変わり,海からの冷たい北西風が吹き寄せ始める。
午前中の陽気で陸上が温まり上昇気流が発生,海からの風が流れ込むというパターンです。
【2】 どんなに蜃気楼条件に合致していても,大気が霞んでいて高島岬も見えなければアウトです。
霞む原因はチリ,ホコリ,水蒸気など。そして黄砂やPM2.5などというお客さんも日本海を越えてやって来て霞ませてくれます。
大気が霞んだら最後,写真の撮りようがありませんが,この間なんとか撮れた画像を10枚並べてみました(A〜J)。
クリックして,よ〜くご覧ください。
A - 4/18 12:02 |
B - 4/23 11:37 |
C - 5/4 18:22 |
D - 5/8 14:39 |
E - 5/9 12:09 |
F - 5/11 11:12 |
G - 5/22 13:09 |
H - 5/27 12:30 |
I - 5/29 10:11 |
J - 6/6 11:21 |
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A & B |
≪1≫ 辛うじて高島岬の先の水平線上にトド岩の頭が見えるのが・・・C,G,J。J は,なんだかなぁぁぁ?ですが。
H も見えてるみたいですが,実は船です。
なお,C は空が薄く茜に染まっていることでお分かりのように,夕方の蜃気楼です。⇒ Topics
≪2≫ 残りはすべてハズレ蜃気楼ですね。
≪3≫ かと思ったのですが,A (4/18) をよくご覧ください。B (4/23) と比べると明らかに違います。
A & B を拡大してください。
海面の高さと,高島岬の頂部(この画像での)の高さa を揃えました。
上の突起の高さb もほとんど変わりません。
が,下の突起の高さc ではややずれ始めています。
画像を実測して α=β ですから B(4/23) の海面の高さd は A(4/18) では d' のラインまで浮き上がっているというわけです。
つまり図の X に相応する部分が持ち上がっているということになります。
これも上位蜃気楼にちがいありません。トド岩が見えないにも関わらず,です。
海面から上に向かって空気の温度が上昇する割合が,海面上で部分的に異なるとこういう現象も見られる,ということなのだろうと思います。
**************************************************
2018.08.06 河口砂嘴先端で見事な,しかし珍妙な夕陽を観察しました。[詳しくは,朝陽夕陽のページを]
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18:47:16 |
18:47:22 |
18:47:28 |
|
時刻の秒のオーダーには数秒の誤差が含まれます。
しかし相対的な時間間隔では誤差は相殺されます。
沈んでいく過程を6秒間隔で並べてみました。 |
|
しばらく,”これはどういうことだっ!?”と,とまどいを隠せませんでした。
が,どうやらこれは,上位蜃気楼に間違いないことに決定しました。<<<間違いです!>>>
上位蜃気楼は,水平線の向こうの通常では見えないものが浮かび上がって見えたりします。
そればかりではなく,水平線すれすれで,景色が上下に伸びたり,上下が反転したりして見えます。
”四角い太陽”というのもたまに話題になりますが,それも蜃気楼。
8/6の夕陽は,水平線近くで上下反転した像が下にくっついちゃってるわけですね。
ほとんど潰れたり歪んだりせず,これだけ真ん丸で綺麗な太陽がお皿の上にちょこんと乗っている姿は珍しいことだと思います。
追記(2018.08.19) 後日分かったのだが,始めて見た夕陽のこの形は,「だるま太陽」(夕陽の場合,「だるま夕陽」)と呼ばれる蜃気楼現象だった。詳しくは ⇒ だるま太陽
ただここで疑問なのは,だるま太陽は冬期比較的まだ温かい海面上に上空から冷気が流れ込んだ時に発生する下位蜃気楼であると認識されているという点。
しかし8/6は真夏。気象条件からすると,私は上位蜃気楼に違いないと上にも書いた。(Topics 参照)
大気の温度変化にも目に見えない複雑さがあって,たまたま下位蜃気楼を発生させるなんらかの条件が重なったのかもしれない。 |
******************************************
2018.09.11 再び珍妙な夕陽=だるま太陽を観察しました。
******************************************
a - 17:50:20 |
b - 17:52:48 |
c - 18:02:52 |
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8/6 に比べて日没が1時間近く早まりました。
同時に陽の沈む位置もかなり南に動き,積丹半島すれすれの海面に沈みます。
(c) のズームアップした位置関係を示します。 |
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(a) は見事なだるま太陽(夕陽)ですね。
(b) は水平線に完全に沈む一瞬前。海面から浮いています。(グリーンフラッシュにならなかったのが惜しい)
(c) は陽が落ちたすぐ横の積丹半島の先っぽです。クリックしてみてください。アラ,不思議。先っぽが海面から浮いています。
これはいわゆる”浮島現象”と解釈されます。
ということで,先に”上位蜃気楼に間違いない”と書きましたが,間違いですね。
”下位蜃気楼である”ということに,謹んで訂正させていただきます。
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2018.09.05 9月なのにトド岩!これは上位蜃気楼です。(日付が前後することにお許しを)
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9/5B 13:42 |
9/5A 12:53 |
9/10A 11:14 |
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蜃気楼ポイント図 |
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A,Bはポイント図を参照してください。
だるま太陽の観察ポイント,蜃気楼観察定番ポイントも示してあります。 |
|
クリックして,さらに目を凝らしてみてください。
9/5の画像には,すごくケチ臭いですが間違いなく高島岬の先のトド島が写っています。
が,9/10の画像にはありません(これが通常の姿です)。
さらに高島岬の先端の形が明らかに異なります。
6/12のまとめで,”もう見られそうもない”と書きましたが,これも誤りでした。
上位蜃気楼も条件さえよければ秋にも観察される,ということです。
■■■ 2018年冬の蜃気楼 (下位蜃気楼 = 空気の温度が,海面よりも低い場合)
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2019.01.27 砂嘴先端近くから新港北防波堤を望む (速報⇒Topics)
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気温マイナス3〜4℃程度と極端に低いわけでもないが,南東の風で極めて穏やか。
ずっと歩き続けながら撮っているので,時間の経過とともに北防波程との距離が縮まり角度が変化している。
北防波堤先端の北灯台との距離は,(a) で約7.5km,(e) で約6km。
(a〜d) では浮島現象が明瞭だが,(e) では蜃気楼はほとんど確認できない。
a (15:08) |
b (15:11) |
c (15:20) |
d (15:33) |
e (15:43) |
*************************************************
2019年3〜4月 安瀬から濃昼の間の海岸からも石狩湾新港方向に下位蜃気楼が観測された
Topics 参照 2019.03.07,2019.04.03
*************************************************
■■■ 2019年初夏の蜃気楼 (上位蜃気楼 = 空気の温度が,海面から上に向かって上昇する場合)
*************************************************
2019.05.02 出足よく,トド岩の頭をすでに3回確認
*************************************************
確認したのは4/30(b)を除きいずれも X点 (近ごろ私がよく使う言葉でいえば,”河口地区南端線”最寄りの浜崖上)。
4/30(b) は河口右岸・来札水制工近くから。角度が北側にずれた分,トド岩が高島岬に接近して見える。
確認したとはいえ,とってもケチ臭い蜃気楼だったということは告白せねばならない。
4/17 13:43 |
4/29 12:08 |
4/30 10:33 |
4/30(b) 12:01 |
5/4 11:18 |
2019.05.04 4度目のトド岩。山も岬も霞んでいてとても見えないと思ったのだが,帰って画像を確認すると今年一番!
確認した時間ころの気温と風の状況 (石狩のアメダスによる)
4/17 |
|
20℃ちょっと |
|
微風,南風から北東風に変りつつあるところ |
4/29 |
|
18℃ |
|
東風から北西風に変ってやや強まりつつあるところ |
4/30 |
|
20〜21℃ |
|
安定的に南東風だがやや強め |
5/4 |
|
19〜20℃ |
|
弱い東風 |