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石狩川河口での遭遇
No. 071 〜 080
ハマニンニクとソーセージ,賞味期限,謎の連鎖2,ホワイトアウト,危険!,くまモン,小洞燕2016,アカクラゲ,トンボの巣窟,導流堤フェンスの異変,再び賞味期限 もくじ 2009.07.31 公開
2010.05.25 独立
2014.07.30 改編
2017.12.02 分離
2019.07.11 更新
- 071 : 2015.12.24 ハマニンニクとソーセージ ほか 賞味期限サンプル
- 071(附) : 2016.04.02 賞味期限にこだわるワケ
- 072 : 2016.01.23 謎の連鎖・その2
- 073 : 2016.02.25 ホワイトアウト
- 074 : 2016.03.22 危険です!
- 075 : 2016.03.22 くまモン参上
- 076 : 2016.05.19 小洞燕2016
- 077 : 2016.07.25 アカクラゲ
- 078 : 2016.07.25 トンボの巣窟
- 079 : 2016.08.27 導流堤フェンスの異変
- 080 : 2016.09.04 再び賞味期限サンプル
賞味期限サンプルからの堆積速度に関してはコチラを ⇒ 河口砂嘴の地形変化-総集編
(B) 石狩砂丘の堆積速度
ハマニンニクとソーセージ
ほか 賞味期限サンプル2015.12.24〜2016.07.03 2015.12.24 車両進入防止柵が設置されるあたりから約20m砂嘴先端方向。
浜崖の側面にひらひらするものがある。また,ゴミがひっかかってるのだろうと思い近寄る(a)。
確かにゴミはゴミだ。長さ約20cmのマルちゃんDHAソーセージ(SINCE 2003)の外装である。(b)
しかし,引っかかり方が念が入っている。
外装に穴が開いて,海浜植物(ハマニンニクだ)の茎?か根?か(正しくは”地下茎”)が貫通している。(c)
誰か,つまり人間の悪戯かと思った。が,よく見ると人間には到底マネができそうもない。
上の方は分枝した節に繋がっている。(d)
下の方は長い根っこが砂に埋まっている。(e)
どちらからにしろ,この外装の穴に茎を通すのは至難の業だ。
考えられるのは,外装が砂に埋もれていた時,ハマニンニクの鋭い芽(f)が突き抜いて伸びていったのだろう。
残念ながら外装に記載された賞味期限が読み取れない。(g)
ところがすぐ近くの崖の側面に似たようなゴミが顔を覗かせている。
引っ張るとすぐに抜け落ちた。まったく同じタイプのソーセージの外装だった。(h)
一緒に捨てられて,一緒に砂に埋もれていたのだろう。
こちらからは賞味期限がはっきりと読み取れた。(i) 03.12.11
12年前に捨てられてそのまま埋まっていたのだろう。
崖の地表からおよそ30cmの深さ。12年間でこの厚さだけ砂が堆積したことを意味するだろう。
この付近の浜崖は今年(2015年)3月にかなり浸食を受け後退するとともに,かなり脆くなっていたと思われる。
いつ自然崩落が起きてもおかしくない状況だった。
趣味の悪いモニュメントの時と同様,この日以前の写真に写りこんでいないか探してみた。
11/30 には見当たらない。(j) その後崖の崩落があったのだろう。
12/21 にはソーセージの外装を確認できる。(k) 崩落した部分の砂が崖下で盛り上がっている。
12/24 は写真だけ撮って帰ってきたのだが,そのまま放置しておけば必ずや波か風に持っていかれるのは目に見えている。
クジラのホネが消えた時の口惜しい喪失感を再度味わうのはごめんだ。
物好きな私は,居ても立ってもいられないのだ。
翌12/25,一転して強風,大荒れの中再度出向いた。(l)
帽子を飛ばされながら採取してきたお宝は現在乾燥中。
いずれまた詳しく報告したい。
植物の芽は岩をも砕くという。
老いの一徹も負けてはいられない。
採取してきてから半年。保存管理が悪いためか,ボロボロになりつつある。
どうしようもないので,石狩浜海浜植物保護センターに寄贈することにした。
(実態は,無理やり押し付けたようなものかもしれない)
現在は保護センターでの私の企画展示のパネルの下にぶら下がっていますので興味のある方はぜひご覧になってください。
(2016.07.03)
2016.03.08
車両進入防止柵近辺の浸食はさらに激しさを増した。
もしかしたら10m近く崖が後退したかもしれない。
崖の砂の下深くひっそりと埋もれていたものたちが,10数年の歳月を経て顔を出す。
今回出遭ったのは,「昆布つゆ」と「むぎ茶」。
奇しくもどちらも賞味期限は2000年5月。
おそらく同じころに捨てられて,砂に埋まったのだろう。
なお目撃した位置よりは実際にはもっと上に埋まっていて,砂と一緒に崩落してきたものと思われる。
□ 「ヤマサ 昆布つゆ」のペットボトル
賞味期限 2000.05
□ 「伊藤園 香り薫るむぎ茶」のペットボトル
賞味期限 2000.05.14
2016.03.27
ほぼ同じあたりの崖の上の方で,こんどはコーヒー缶が顔を覗かせているのを発見。
地表から30cmそこそこ。普通にはまるで手が届かない高さ。落すのにかなり苦労する。
□ 「GEORGIA ORIGINAL」のスチール缶
賞味期限 2004.08.14
2016.04.12
車両進入防止柵から約3m,地表からおよそ50cmで発見。
日本たばこ(JT)は2015年に飲料事業から撤退しているので,現在では Roots は製造されていない。
□ 「JT Roots」のスチール缶
賞味期限 2004.02.10
2016.04.16
位置的には 「GEORGIA ORIGINAL」のスチール缶とほとんど同じあたり。
20日ほど経過して崖が自然崩落,さらに後退したことにより顔を出したものと考えられる。
これまで発見したものよりやや深く,地表から100cmほどの深さ。
□ 北海道限定ガラナ「KIRIN Mets」のペットボトル
賞味期限 1997.10.27
2枚目の画像に記したが,このボトルが見つかったところより下に砂丘には異質な砂利の層が見られた。
この層は駐車スペースの高さとほぼ同じ(か,やや高い)レベルで,長さは30〜40mに及び,先の方では徐々に低くなっている(画像)。
なにゆえここに砂利層があるのか,そしていつころのものなのか,いまのところ定かではない。
Mets のボトルはこの層より約30cm上の砂に埋もれていたことから,砂利層ができたのは1900年あるいはそれ以前と推察される。
漁業関係者によってかつて道路がつくられた跡なのかもしれない。
2016.05.12
位置的には 「JT Roots」のスチール缶とほとんど同じあたり。
車両進入防止柵から約2m,地表からおよそ50cmで発見。
□ 中国福建省産茶葉使用「烏龍茶」のアルミ缶
賞味期限 2004.07.03
2016.05.17
車両進入防止柵から約32m,地表からおよそ110cmで発見。(5/19 計測し直し)
賞味期限表示でなくて製造年月日表示。(日付表示の注 参照)
直ぐ近くで「カゴメ トマトジュース」瓶も得られたが,製造年月日の読みとりが困難で資料としては除外した。
□ 「GEORGIA」のスチール缶
製造年月日 1980.09.24
2016.05.19
これまでの資料よりやや離れて,車両進入防止柵から約80m,地表からおよそ100cmで発見。
□ 「Asahi スーパードライ」のアルミ缶
賞味期限 1998.03 (製造年月 1997.07)
2016.06.16
かなり崖の風化も進んで,もう見つかることはないかもしれないと諦めかけていた。
が,スーパードライ・ポイントとほぼ同じ位置で顔を覗かせていた。
車両進入防止柵から約80m,やや深くて地表からおよそ120cm。
□ 「CHOYA ウメッシュ」のアルミ缶
ロット記号 NIS/C25R
これでは製造年月あるいは賞味期限が分からない。
さっそくチョーヤ梅酒株式会社のお客様相談室にメールで照会した。
実に素早く丁寧な回答が得られたことには頭が下がる思いである。
資料室保管の缶のデザインも一致したということで,1997年6月製造ということが確定した。
古くはロット記号管理が10年サイクルだったということなので 1987年6月製造ということも考えられたのだが,その当時は瓶入り商品のみだったということである。
チョーヤ梅酒株式会社様,ありがとうございました。
賞味期限にこだわるワケ 2016.04.02
賞味期限資料マップ
2016.04.02
2016.04.15
2016.05.11
2016.05.14
2016.05.18
2016.05.19
2016.06.17
ウメッシュ を追加して更新2009,2012,2014年の浜崖のラインはいずれも Google earth 画像の浜崖をなぞったもの。
2016.03.08 のラインは,この日浜崖の上と汀線を歩いた際の GPS ロガー軌跡。
ただし浜崖の上ではあちらこちらに亀裂が入っていていつ自然崩落してもおかしくない状況。そのため浜崖の先端から少なくとも1m程度内側を歩かざるをえなかった。
発見日 深さ 賞味期限 備考 A 2015.12.24 マルちゃん DHAソーセージ 外装 約30cm 2003.12.11 B 2016.03.08 ヤマサ 昆布つゆ ペットボトル - 2000.05 資料価値低い C 2016.03.08 伊藤園 香り薫るむぎ茶 ペットボトル - 2000.05.14 資料価値低い D 2016.03.27 GEORGIA ORIGINAL スチール缶 約30cm 2004.08.14 E 2016.04.12 JT Roots スチール缶 約50cm 2004.02.10 埋まったのは2003年以前か F 2016.04.16 KIRIN Mets ペットボトル 約100cm 1997.10.27 G 2016.05.12 烏龍茶 アルミ缶 約50cm 2004.07.03 H 2016.05.17 GEORGIA スチール缶 約110cm 1980.09.24* I 2016.05.19 Asahi スーパードライ アルミ缶 約100cm 1998.03 1997.07* J 2016.06.16 CHOYA ウメッシュ アルミ缶 約120cm 1997.06
a
b
c左の写真はいずれも 2016.03.08
上の資料マップの駐車スペース(車が写っている)のあたりを撮ったもの。
危険です!はこの2週後だが,新たな波による浸食はないが,崖の自然崩落は進んでいるのがわかる。
”ソーセージ”,”昆布つゆ”,”むぎ茶”,”GEORGIA” と賞味期限にこだわるのは,これらを食べておなかを痛くしたくないから,というわけではない。
これらが埋まっていた深さが,砂丘の成長(高さ方向)の度合いを測る指標となると思われるからである。つまり,砂がかぶさるおおよさの速さが分かろうというもの。
本当は切り立った崖の断面に埋もれた(顔を覗かせた)状態で見つかるのが理想的。
崖が崩落して砂とともに落下したと思われる状況で見つかった”昆布つゆ”と”むぎ茶”は,その意味では資料価値は低い。
一方,”ソーセージ”の外装と”GEORGIA”缶は資料価値が高い。
奇しくもふたつとも 12年後 に発見されている。
ただし埋もれていた深さは(位置が高すぎて)目測に頼らざるをえず,両方ともおよそ30cmくらいというのがデータとしてやや情けない。
それを割り引いても,平均すると 1年につき 2〜3cm ずつ砂が堆積してきたのだろうと推測される。
というわけで,浜を歩く楽しみがまたひとつ増えたみたいで,逆に面倒でもある。
(2016.04.02 記)
(注 : 食品の日付表示について)
表の賞味期限の列で * 印のものは賞味期限表示でなく製造年月日表示である。
食品の日付表示は,日米貿易摩擦などを背景として1995年,「いつ製造されたか」表示から「いつまで持つか/美味しいか」表示に大きく転換された。
したがってそれ以前の資料は製造年月日表示になる。
外装,缶,ボトルなどが捨てられて砂に埋まった時期は,製造年月日表示の場合その表示以降,賞味期限表示の場合その表示以前となる。
ここまでの資料からの推測では,1年につき 3〜5cm 程度の堆積,と読み取れる。
(2016.05.18 記)
謎の連鎖・その2 2016.01.23 その1 はコチラ
2012年3月に長大な連鎖を目撃した時には本当に夜も眠れないほどの謎だった。(その1)
しかしその後注意して歩いているとしばしば出会うなんでもない光景であることがわかった。
この日も堤防に上がるとすぐに遭遇。
盛り上がった雪の塊りの連鎖がよろよろとしかし連綿と続く。(a)
かと思うと,穴ぼこの連鎖も。(b)
こちらならすぐにわかる。キツネかなにか,つまり動物の足跡だ。
時に,穴ぼこと塊りとがニアミスしていたりして。(c)
実は塊りの方も動物の足跡なのだ。
穴ぼこはつい最近の足跡で,塊のほうはやや古い(昨日とか一昨日とか?)足跡なのだろう。
動物の体重で踏まれた部分だけが硬くなり,それ以外の部分の雪は強風で吹き飛ばされてしまったため足跡が突起になったというわけだ。
そしてこれも2匹?の動物の盛り上がった足跡。(d)
2014年の写真は,動物がスキーを履いて歩いた足跡が盛り上がったもの。
3月ともなるとまわりの雪は,吹き飛ばされるより気温の上昇で解けて沈んだのだろう。
ホワイトアウト 2016.02.25
ひと月ぶりの浜歩き。
インフルエンザに悩まされたり,このところ風雪の絶え間がなかったりで,タイミングを逸していた。
ポンプ小屋脇に車を止め,堤防に這い上がって歩きはじめる。
曇天ながら眩しいくらいに見通しはいい。
途中4,5回落とし穴に嵌まったりしながらもなんとかひとまわり。
海側,車両進入防止柵が設置されるあたりまでたどりつく。
昨冬に続いてこの冬も激しい浸食に晒されて,崖上の柵は全滅。跡形もない。
この時点ではまだ青空ものぞいていた。(13:19)
ところがものの2分たらずでたちまち暗くなって吹雪きはじめる。(13:21)
あわてて崖にのぼると200mほど先のヴィジターセンターがすでに霞んでいる。(13:22)
実は類似のパターンでホワイトアウトに遭遇した経験が過去に一度ある。
2012年2月18日だ。
その日も柵のあたりの浸食が激しかった。そして直後から吹雪き始めた。
灯台を背にして,最短距離を狙って海側から川側へ斜め横断を試みたのが間違いだった。
途中までかすかに見えていたマウニの丘も,やがて白魔に吸い込まれてしまう。
闇雲に進むうちに八幡神社の黒い木立が見えてきて救われた。
4年前の教訓に基づいて,ここは灯台脇を抜けまっすぐ堤防に取りついて戻るのみ。
堤防上なら転がり落ちることさえなければ,視界が効かなくても真っ直ぐに歩けばなんとか出発点まで戻ることができるだろう。
危険です! 2016.03.22〜2016.05.12 2016.03.22
ヴィジターセンターの前から海岸へ向かった先に車を10台弱駐車できるスペースがある。
ちょうど車両進入防止柵が設置されるあたりの崖の上である。
散策客や釣り人,夏になると海遊びの家族連れなどでにぎわう。
このあたりの浸食が,去年をはるかに上まわるすさまじさだった。
おそらく10m近く崖が削られて後退したかもしれない。
去年まであった車止めもなにもかにも,波に持ち去られた。(a)
先は切り立っているし,いかにも崩れやすそうだ。(b)
下から見るとこんな具合。(c,d)
切り立った崖の高さはかれこれ2mはあるだろう。
この冬は雪が少なく,はやくも八幡神社から灯台へ向かう市道が通行可能。
ここに入ってくる車は突進しないように。くれぐれもご用心!!!!!
2016.03.24 さっそくロープが張られていた。観光協会によるものらしい。
2016.03.27 このくらいの崖は平気で上り下りする釣り人たち。
2016.04.01
頑丈そうなフェンス(車止め)が設置されていた。
上り下りする人はいるとしても,車が上り下りするのはためらわれることだろう。
ところでこの車止め,「石狩の紅白」に加えることは却下となった。
けっこうあちらこちらで見られるものだ。みんなで仲良くここから上り下りするからどんどん崩落が進む。
2016.04.12
難なく上り下りすることが可能になっていた。
蛇の道は蛇?海側から見てみる。
4/27には土台のコンクリートブロックがあわや落ちそう・・・
5/12には落ちてた。誰も怪我をしなかっただろうか・・・
(アドベンチャーな秘話)
2016.03.22
恒例の砂嘴先端ひとまわりを,この日もなんとか無事に終えようとしていた矢先だった。
が,がけが切り立っている。(e)
アブナイ駐車スペース部分のみやや低くて2mほど。ほかはどこも背丈の倍はある高さだ。
浸食部分を避けて上りやすいところを探すのがもっとも無難。
なのだがそれにはかなり余計に歩かなければならない。
ロープがぶら下がっているのが目に留まる。(f)
崖が直角に切り立っているのは最上部の50cmくらいか?
衆議一決,ロープにしがみついて這い上がることにする。
おりから強い北西風に乗って砂が猛然と襲いかかる。
帽子を飛ばされ,顔も頭も,口の中も砂だらけになりながらも,なんとか自分は這い上がれた。
次は,さしあたって右腕がまだ不自由な同伴者。
もがく同伴者の腕を掴んで死に物狂いで引きずり上げる。『ファイトーーー,いっぱぁーーつ!』
もうダメかと諦める気持ちに打ち克つことができたから,いま,こんなことを書いている。
一応上から眺めてみる。(g)
2016.03.27 自分たちが這い上がった崖を,再度まじまじと見上げる。高い!
足跡がたくさんついている。同じようにロープにすがってここからよじ登った人たちも少なくないのだろう。
2016.04.12 単管の杭が打ち直され,ロープがしっかりと張られていた。
くまモン参上 2016.03.22〜2016.10.11 2016.03.22
海辺の流木の上にひそむアヤシイひと?かげ。
あららん,熊本県の営業部長氏ではないか。
6年前にも河口でヒグマに遭遇したことがあるが,こちらはきっとツキノワグマ。
顎の下に大事そうにスイカを抱えているのでツキノワを確認することはできなかった。
いつまでここに滞在する予定なのだろうか?
2016.04.16
4月14日,地震発生。
予想通り,くまモンはそこにはいなかった。
石狩でまったりしている場合ではないのだ。
熊本県を中心とする大きな地震により被災された皆さまにこころからお見舞い申し上げます。2016.09.12
またお亡くなりになられた多くの皆さまには衷心よりお悼み申し上げます。
くまモンが腰掛けていた流木。
戻ってくることはないだろうとは思いつつ,もしかしたら,との微かな思いもあってその後も見守っている。
赤旗の立つ浜崖先端からおよそ150mほどのところだ。
先端近くは去年暮れ以来浸食され続けている。
春そして夏になってもも浸食はじわりと進み,くまモンの木のぎりぎりまで迫ってきてしまった。
もしこの木がなくなっても,別の流木を見つけて海を眺めていて欲しい。
2016.10.11
くまモンの木を最後に確認したのは9/30。
その後10月に入ると北西風が強まり荒れる日が続いた。
10/11来てみると,くまモンの木はもはやなく,崖の上に痕跡かもしれない流木が残っているのみだった。
このあたりで,崖は6〜7m後退したものと思われる。
小洞燕2016 2016.05.19〜2019.07.10 去年までの小洞燕 2019年の小洞燕 2016.05.19 新川右岸河口(かつてはオタネ浜)
はまなすの丘に,今年もショウドウツバメたちは戻ってきてくれるだろうか・・・
今日現在,まったく気配はない。
かつてはオタネ浜といわれていた新川右岸河口砂丘の様子を見に行った。
遠目にもツバメたちが飛び交っているのがわかる。
崖には巣穴がたくさん掘られていた。
去年はまなすの丘にショウドウツバメが住みついたのは6月。
もうしばらく待ってみようか。
2016.06.07 親船地区
去年の場所に戻ってくる気配はいよいよない。
しかし監視員さんの情報では,親船地区でコロニーが見られるという。
さっそく行ってみた。いました!
海水浴場南端からおよそ1キロほどの浜崖。
去年はまなすの丘に棲みついたファミリーよりもかなり大きなファミリーのような気がする。
5月,オタネ浜に営巣していたツバメたちがすっかり姿を消してしまった。
巣穴もほとんど崩壊していた。(2016.06.05)
2016.07.04 押琴海岸のショウドウツバメ と 実田のイワツバメ(巣)
今年も押琴海岸のショウドウツバメは大コロニーを作って元気に飛び交っていた。(a〜e)
また,黄金山へ向かう途中の橋の下には,イワツバメの営巣が確認された。(f)
アカクラゲ 2016.07.25 2016.07.25
波打際をゆらゆら漂うかなり派手目で妖しげな物体。
愛用の流木杖で引き寄せて砂の上に引きずり上げた。
クラゲであることには間違いなさそうだ。
しばしば見かけるミズクラゲくらいしかクラゲの知り合いはいないので名前が分からない。
とはいえあまりにも特徴的な姿なので調べるとすぐにわかった。
『アカクラゲ』というらしい。
2007,8年ころ石狩浜にも多数現れたという記録があるので,さほど珍しいものではないのかもしれない。
しかし触手には猛毒を持つという。
刺されると呼吸困難になることもあるらしい。
車両進入防止柵からおよそ500mほど砂嘴先端側。
1000円の駐車料金を免れるべくこの近辺で海水浴をする人たちも多い。
くれぐれもご用心!
◆◆◆ 石狩浜で見かけるほかのクラゲたち ◆◆◆
◇ ミズクラゲ ◇
石狩浜ではもっともポピュラー。
そのわりには砂浜に打ち上げられた個体は崩れかけているものが多くて,なかなか美しい写真が撮れない。
傘の中心部に透けて見える4つの○(胃腔と生殖腺)が特徴的。ヨツメクラゲとも。
刺されても毒性はさほどではないらしい。でも刺されないにこしたことはない。
◇ オワンクラゲ ◇
石狩浜で見かけることは少ない。
お椀をさかさまにしたような傘にたくさんある放射状の筋(水管)が特徴的。
刺激を受けると,水管に沿って伸びている生殖腺と傘の縁が緑色に光るらしい(見たことはない)。
緑色蛍光タンパク質といわれ,その研究によりノーベル化学賞が授与されている(2008年,下村脩)。
トンボの巣窟 2016.07.25 2016.07.25
7月の半ばを過ぎるとはまなすの丘にもトンボの姿が目につきはじめる。
この日ふと見ると,壁面にトンボが鈴なり。えっ,ここはトンボの巣なのか?
どこかというと,ココ。
ほんの2週間前にはこうだったくらいヒトの動きで変化が激しい。
(それ以前の状況は危険です参照)
崩落が進んでできた小洞窟が,若いトンボたちにとって陽射しを避ける憩いの場になっているのだろうか。
左岸砂嘴先端から見た右岸導流堤のフェンスの異変 2016.08.27〜2018.02.20 2016.08.27
8月,歩く都度砂嘴先端から対岸導流堤の付け根をズームアップして撮っている。
まったくなんの意図もなく何気なしに撮っていたのだが,あらためて見るとなにか様子がおかしい。
ここには,釣り人達が導流堤に立ち入るのを阻むフェンスがあったはずだ。(2015.05.26,2015.06.06)
そこにテトラポットが積み上げられているようだ。
これは確かめなければ・・・好奇心の血が騒ぐ。
そういえば今年になって河口右岸には一度も行っていないというのも情けない。
連続3ヶの台風により水位上昇もおさまったかのような8/27,さっそくおとずれてみた。
昨年,一昨年には健在だった立入禁止フェンス。
それが脆くも倒れて寝そべり,代わりに立入禁止措置としてテトラポッが積み上げられたというわけだ。
近くで車を止めて休んでいた物知り顔の年寄り(あえていえば,私と同じくらいの年輩)に聞く。
真冬,波しぶきがたちまち凍りつき,肥大化した氷の重みに耐えきれなかったのだという。
嘘か真か?
かつて撮りためた写真をあさる。(一部に,むりやりトリミング加工あり)
2015.12.12 では健在。
2016.02.25 では,背後のテトラポット護岸は巨大な氷の塊りとなり,フェンスも純白の分厚い衣を身にまとって倒れている。
2016.03.22 / 04.16 / 05.24 倒れたままだ。
どうやらその後これではイカンと,テトラポットが積み上げられたらしく,2016.06.06 では様子が変っている。
だからどうした,というほどのことでもないけれど,こんなことで喜んだり感心したりしている年寄りもいるのだ。
2016.12.18
2017.02.15
2018.02.202016.12.18 波しぶきが凍りつき,テトラポットを純白に装っていた。
2017.02.15 テトラポットの上で巨大化した氷獣がフェンスも丸呑みする勢い。
2018.02.20 激しい波にも平然と。
再び賞味期限サンプル 2016.09.04〜2016.11.11 連続4ヶの台風による石狩川増水の爪痕を確認するために川側の激しく削られた崖下を歩く。
賞味期限資料マップ
2016.09.09
2016.09.16
2016.09.23
2016.10.06
2016.10.20
2016.10.24
2016.11.13
11/11の1ヶのサンプル
を追加して更新2016年 9/4, 9/12, 9/20, 9/30, 10/11, 10/22, 11/11 の軌跡と,そのとき発見されたサンプルの位置を示す。
a点,b点からの写真は崖の状況を記録するために何気なく撮った写真。
が,その気になって見直すと,a点からの写真にははっきりと賞味期限サンプル@が写っている。
b点からの写真ではサンプルそのものは確認できないまでも,A,Bを発見した位置は明瞭に分かる。
@の位置とABの位置は約40m離れていたが,AとBはほんの数mしか離れていなかった。
荒波による浸食後の海側ばかりでなく,増水による浸食後の川側でも賞味期限サンプル(といえばかっこいいが,要するに捨てられたゴミだ)が崖の側面から顔を覗かせることがある,ということをあらためて知ることになった。
2016.09.04 発見サンプル
□ 「Coca Cola」のアルミ缶
賞味期限 2013.0?.??
地表からの深さ 約50cm
賞味期限の刻印が限りなく劣化していたが,6桁の数字のうち最初の3文字をなんとか判読できた。
□ 「VAAM」のペットボトル
賞味期限 2013.12.08
地表からの深さ 約65cm
ビニールの包装がボロボロになっていたけど,なんとか剥がれる前でよかった。
□ 「極ZERO」のアルミ缶
賞味期限 2014.04 (製造 2013.08 上旬)
地表からの深さ 約65cm
2016.09.12 発見サンプル
□ 「natchan!」のペットボトル
賞味期限 2014.04.??
地表からの深さ 約60cm
賞味期限は2014年4月まで判読可能。この場所で冬に捨てられることは考えにくいので,2013年に捨てられたものに間違いない。
2016.09.20 発見サンプル
□ 「マルちゃん しょうゆ味ラーメン」の外装
賞味期限 2012.08.09
地表からの深さ 約70cm
9/12の natchan! と数mほどしか離れていない場所でひらひらしているのを見つけた。
これまで見つけたサンプルはいずれも2013年に埋まったものと思われるのだが,これの賞味期限は2012年。
またこの場所でラーメンを袋から出して湯を注いで食べたのかどうか,疑義が残る。
川で流されてきた袋が引っかかったものなのかもしれない。
2016.09.30 発見サンプル
□ 「ストロングゼロ」のアルミ缶
賞味期限 2013.11
地表からの深さ 約80cm
このあたりの崖はかなり高くて170〜180cm程度。
□ 「GEORGIAカフェオレ」のペットボトル
賞味期限 2013.12.29
地表からの深さ 約70cm
すぐ近くで,このサンプルを含めて6ヶのサンプルが崖から顔を覗かせていた。
崖の高さは160〜170cm程度。埋まっていた深さは100cmの1ヶを除いてほかはすべておよそ70cm。
「GEORGIAカフェオレ」以外はどれも,品名,賞味期限を読み取ることができなかった。
□ 「Qoo」のペットボトル
賞味期限 2013.01.22
地表からの深さ 約80cm
賞味期限の表示からすると,捨てられたのはその前年の2012年とみるのが妥当だろう。
サンプルが発見された位置のすぐ下で,ハマニガナがぶらさがったまま健気に咲いていた。
□ 「キリンガラナ」のアルミ缶
賞味期限 2013.07.22
地表からの深さ 約35cm
9/30 の4ヶのサンプルのうちこれだけは海側の崖で発見。
川側の崖とは砂の堆積速度が大きく異なるのは当然のことだろう。
このあたりでは,おおよそ 10cm/y 程度と考えられる。
この日発見されたサンプルは2ヶ。
2016.10.11 発見サンプル
いずれも前回の「キリンガラナ」同様,海側の崖である。
このあたりは前回(9/30)以降,10月に入って海が荒れる日が多くさらに浸食を受け崖がかなり後退した(5m以上?)。
近くのくまモンの木も波にさらわれてしまった。
そのおかげでサンプルも新たに顔を出したともいえる。
なお,賞味期限の日付からするとどちらも2013年に捨てられて埋まったものと考えられる。
□ 「TEAS' TEA アップルティー」のペットボトル
賞味期限 2014.03.02
地表からの深さ 約40cm
□ 「三ツ矢サイダー」のペットボトル
賞味期限 2014.02.09
地表からの深さ 約50cm
この日発見されたサンプルも2ヶ。
2016.10.22 発見サンプル
1ヶは川側の崖,最初に CocaCola のアルミ缶を見つけたのと同じあたり。
もう1ヶは一応川側ではあるがより先端近く。
20,21日の防風波が先端を新たに削った崖から顔を覗かせていた。
□ 「GEORGIA コクのブラック」のアルミ缶
賞味期限 2014.05.04
地表からの深さ 約50cm (崖の後ろの最頂部からでは90cmほどの深さ)
賞味期限からするとこのアルミ缶が捨てられたのはおそらく2013年。
□ 「十六茶」のペットボトル
賞味期限 2015.01.18
地表からの深さ 約20cm
新たにできた崖の高さはおよそ120cm程度。
このあたりはつい最近まで比較的安定した砂丘草原であったところである。
ペットボトルが捨てられたのはおそらく2014年。
堆積速度は10cm/y程度か。
この日発見されたサンプルは新たに浸食が進んだ海側の崖で1ヶ。
2016.11.11 発見サンプル
すぐ右に CocaCola缶もあったが,賞味期限を読み取れず。
□ 「胡麻麦茶」のペットボトル
賞味期限 2014.02.12
地表からの深さ 約30cm
どうやらこれら(の多く)は,いずれも2013年後半に捨てられたもののようだ。
ということは,たかだか3年足らずの間に50〜60cmもの深さに埋まってしまっていたということになる。
海側(車両進入防止柵近辺)のサンプルでは総じて3〜5cm/y程度の堆積と読み取れた。
(海側でも新たに見つかった砂嘴先端のサンプルでは約10cm/y)
それに対し川側では平均して20cm/y前後となり,海側のサンプルの場合よりかなり大きい。
これはどのように解釈すべきなのだろうか。
乞う,ご期待?!
2016.09.10
サンプルが捨てられたのは2013年,ということから,そのころの地形はどうだったのかから考察してみよう。
2013年のみでなく,その前年の2012年以降2016年までの5年間の地形変化の推移を追ってみる。
時期はいずれも川筋の地形が安定する夏期,おおむね5月から9月にかけての各年のGPS軌跡を重ねあわせた。
中にはかなり暴れたデータも存在するのでそれらは省き,全体として各年の傾向を表わしていると思われる複数のデータを選択している。
各年ともに5m前後,ときに10m未満の軌跡の揺れ幅があるが,その程度ならばGPS誤差の範囲内とも考えられる。
2012年以降の夏期の軌跡
2016.09.10砂嘴先端部,とりわけ賞味期限サンプルが発見された周辺について着目。
おおむね5月から9月にかけての軌跡図。
比較的安定している川側と,ややばらつきの多い海側,そして先端部では夏期でもより揺れが大きい,ということがはっきりする。
この軌跡図をまとめてみて自分でもあらためて気づかされたいくつかの事項がある。
【1】 2013年3月刊行のいしかり砂丘の風資料館紀要第3巻に掲載された砂嘴地形変化の調査報文では,2009年から2012年夏までのデータに基づいて,砂嘴地形の経年変化もまとめている。
そこでは,河口を広げる形で砂嘴先端が川側から海側へと押し出される傾向が明白だった。
ところが2012年以降の動きをまとめた上図では,逆転して海側から川側へと押し戻されている。
【2】 2015年から2016年にかけては,川側の地形変化は止まっている。河口を狭める限界なのかもしれない。
それに対し海側では最大で50m近く汀線が後退,この5年間で最も変化が大きい。これは2015年12月以降激しい浸食に晒され,ほとんどそのままの地形が維持されていることによるものである。
ほかにも気づくことはあるが,ここは賞味期限サンプルについての場なので,地形変化については別の場にゆずる。
賞味期限サンプルに関係することとして次の点があげられる。
【3】 今回石狩川の増水により削られて後退した崖の位置は,奇しくも2012年当時の川岸のラインとぴったり符合する。
【4】 サンプルが捨てられた2013年では,2012年と比較して川岸の幅がおおむね10m程度せり出している。
2016.09.11
実際の光景はどうだったのかを知りたいと思い,2012年,2013年当時に撮った写真を漁る。
数年後こうなることを予想して撮っているわけではなく,いつだって歩きながら気まぐれに撮り続けているだけだ。
だから,いざ探してみると「これわっ!」という写真はあまりにも少ない。
少ないなりにいくつか選んで,その撮影ポイントを照合して拡大したのが下図である。
2012,2013年の
撮影ポイント
2016.09.11
a,b 2016.09.04 c 2012.09.26 d 2012.07.19 e 2013.10.19 f 2013.08.12 g 2013.06.02 h 2013.06.11 i 2013.09.06 j 2013.07.28 逆向き
2012年当時の情景は現在(2016.09.04のa点,b点からの写真)に驚くほど酷似している。
崖の高さは現在に比べると明らかに低く,1m未満と思われる。
数mしかなかった崖下の砂地が2013年になるとかなり広がっていることが分かる。
2012年の崖は削られることなく,広がった砂地に向かって植生とともにだらだらっとつながりつつあるようだ。
結局今回見つかった賞味期限サンプルたちは,2012年当時にすでに成立していた崖の上近辺で捨てられ,その後砂が堆積したものだろう。
2013年以降も川岸が川の中央部へ向かって前進し続けているということから,砂が相応に運ばれてきていることを意味する。
必然的にサンプルの上にかぶさる砂も多かったことは間違いない。
とはいえ,たかだか3年で50〜60cmも埋まるというのは驚かされる。