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石狩川河口での遭遇
No. 031 〜 040
そろばん,ペリカン砂嘴,けあらし,雪庇,神居尻噴煙,謎の連鎖,立入禁止柵受難,原木丸太椅子,乗り捨てられた車,おしゃれキャットマリー もくじ 2009.07.31 公開
2010.05.25 独立
2014.07.30 改編
2023.01.16 更新
- 031 : 2011.12.06 そろばん
- 032 : 2011.12.21 ペリカン砂嘴
- 033 : 2012.02.18 けあらし
- 034 : 2012.03.16 雪庇
- 035 : 2012.03.16 神居尻噴煙
- 036 : 2012.03.28 謎の連鎖
- 037 : 2012.04.21 立入禁止柵受難
- 038 : 2012.06.02 原木丸太椅子
- 039 : 2012.06.28 乗り捨てられた車
- 040 : 2012.08.03 おしゃれキャット マリー
そろばん 2011.12.06 2023.01.16 更新
海浜植物保護区の立入禁止柵。
ロープに付着した雪が凍りつき,少し汚れたそろばんのおもちゃができる。(a,b)
砂浜から奥にはいると,白いチクワが並ぶ。(c)
2012.12.29
2023.01.12 (new)
ペリカン砂嘴 2011.12.21
朝陽を撮るべく早朝(日出時刻 7:02)訪れた砂嘴。
首尾よく朝陽を捉えた後,カンジキと悪戦苦闘しながら先端近くにたどり着いたのは9時すこし前。
細かい氷に白く閉ざされて砂浜の面影はないが,見るからに形が異様(GPS軌跡参照)。
大きく張り出して,しかも彎曲して川沿いに長く延びている。ペリカンの頭と嘴みたい。
おっかなびっくり周囲をひと回りして,GPSロガーにその形を収めた。
この日21日は厳しい寒さにも関わらず,冬にしては珍しいほどに風も弱く波も穏やか。
強風が吹き荒れた5日後の26日と,風,潮位,水位のデータを比較してみた。
21日の6時から9時ころまでは最も潮位の下がった時間帯で,おまけに風も波もほとんどなかったため砂嘴先端の浅瀬が水面上に広く顔を出していたものと思われる。
満潮時には20cm以上潮位が上がるので,ペリカンの頭と嘴はあらかた水面下に没することだろう。
さらに26日のような強い風が吹くと,風の力だけで4,50cmほども河口の水位がもち上がることが分かる。
けあらし・その1 2012.02.18〜2018.12.18 その2 はコチラ
水面の温度よりその上に流れる大気の温度が極度に低い時,けあらし(気嵐)が立ちのぼる。
海や川からの蒸気が急激に冷やされて霧になるのだ。
厳冬期,あくまでも風が穏やかで,しかも猛烈にシバレる早朝にかたよる現象である。
冬の朝陽を撮りに行くとしばしばオマケのように遭遇する。しかし,寒い。
この朝は,本町築堤からの朝陽を捉え損ねてから,砂嘴をひと回りした。
最初はただただ寒いだけだったが,9時半ころからその上さらに吹雪き始める。
(a) 7:06 -14.6℃ 南南東の風1.9m/s 石狩灯台の近くからの石狩川 (b) 8:26 -11.9℃ 南南東の風2.6m/s 河口砂嘴の先端近く
通いなれた河口砂嘴だが,遭難するかと思った・・・
石狩のけあらし・コレクション
リンク 2011.02.12 6:28 -11.2℃ 南南東の風1.4m/s 石狩湾新港東埠頭 2011.02.21 6:26 -9.1℃ 南東の風1.6m/s 屯田墓地雪堆積場からの発寒川 朝陽 2011.12.08 16:09 -5.5℃ 東南東の風1.0m/s 知津狩川 *1 夕陽 2011.12.21 7:23 -13.4℃ 南東の風1.4m/s 石狩川河口近く 朝陽 2012.02.18 7:08 -14.6℃ 南南東の風1.9m/s 石狩灯台の近くからの石狩川 朝陽 2013.01.29 6:48 -16.1℃ 南東の風0.8m/s 屯田墓地雪堆積場からの発寒川 朝陽 2015.02.17 7:19 -6.7℃ 南東の風1.5m/s 石狩川河口で漁へと向かう漁船 朝陽 2015.03.08 5:47 -2.5℃ 東の風0.8m/s 茨戸川ふれあい護岸から対岸を望む 朝陽 2017.01.15 7:02 -16.0℃ 南南東の風1.3m/s 新港西埠頭から樽川埠頭モニュメント 朝陽 2017.01.21 7:14 -15.4℃ 南西の風1.4m/s 札幌大橋下,迂回水路を通して石狩川橋梁 朝陽 2017.02.09 6:53 -7.8℃ 東南東の風1.1m/s 屯田墓地雪堆積場からの発寒川 朝陽 2017.12.18 7:16 -12.6℃ 南南東の風1.9m/s 茨戸川ふれあい護岸から下流方向を望む 朝陽 2018.02.07 7:08 -15.9℃ 南の風1.6m/s 紅葉橋からの発寒川。川面から湧き上がる様子もうかがえる 朝陽
*1 : この日は夕陽を撮りに行って遭遇。気温は極端に低いわけでもないのに,知津狩川の川面というより,このあたり一帯の雪原から濃い霧が立ちのぼっているようだった。
*2 : 上の表からけあらしの条件としてわかること。
(1) 当たり前といえば当たり前だが,とにかく寒い朝(夕)であること。
(2) 風速2m/s以下の極めて風の弱い日であること。しかも南東風(札幌大橋下を除く)。
*** 南東風でなければいけないということの必然性については,いましばらく熟考してみたい。
けあらし・その2 へ
雪庇 2012.03.16〜2013.03.12
冬,強い季節風の風下になる砂嘴の石狩川沿いには雪庇ができる。
雪の多かったこの冬,雪庇は大きく発達した。
とりわけ灯台の真西あたりでは,川岸から20mほど迫り出している(GPSの誤差を含む)。
先月までは平気でこの上を歩いていたのだが,3月に入るとさすがに状況が変わる。
そこここで崩落しているのだ(a,b)。
気をつけて歩いていたのだが,足を踏み出した途端,ミシッと音を立てて亀裂が入り肝を冷やした(c)。
河口に近づくと川岸の砂の上に下りて歩けるようになるが,ところどころで巨大な雪塊が行き手を塞ぐ(d,e)。
なかなかハイなアドベンチャー気分である。
2013.03.12 雪庇崩落
神居尻噴煙 2012.03.16〜2018.12.18
いしかり浜からは,ほとんど真北方向に暑寒別岳を主峰とする増毛の山並みを眺望できるが,それよりやや右側(東)を望むと樺戸山地が見える。
(a) は河口堤防上からの眺めで,左から,神居尻山(947m),ピンネシリ(1100m),隈根尻山(971m)である。
砂嘴先端を回り海沿いに戻ってきてふと振り向くと,神居尻の副峰が噴煙を上げていて仰天した(b)。
2013.02.25 今度は浜崖から噴煙が上がっていた。
2015.02.17
a
b(a) 河口左岸からの眺望。左のかなたが樺戸三山。右は阿蘇岩山。
日の出直後の冷え込みで川面にはけあらしがたなびく。
(b) お目当ての神居尻噴煙。右はピンネシリ。浜崖には雪がない。
2018.12.13
久しぶりの神居尻噴煙。
この日も日の出直後,海面には濃い海霧(けあらし)が立ち昇っていた。
謎の連鎖 2012.03.28,30 その2 はコチラ
思いがけずヴィジターセンターまでの道路が綺麗に排雪されていて通行可能になっていた。例年よりかなり早い。
この日は春,秋定例の,汀線を行って浜崖を戻るというコース。いつもならマウニの丘近くを発着点としていたところだが,ヴィジターセンターの駐車場まで行けるのは随分楽した気分。
浜崖の先端から6,70mほど戻ってきたあたりで不思議な光景が目に留まる。
地面に直径2,30cmくらいの突起が突き出していて,それが連綿と続いているのだ。
うねうねと曲がりくねってはいるが,決して枝分かれせず,ただ一本の連鎖をなしている。
ときにはヘアピン状のS字カーブを見せたりもする(d)。
直線距離にして約320m。
なぜこんな光景が出現したのだろうか。
この連鎖の下に,竜か大蛇か,はたまた石狩川にゆかりの鮫様が潜んでいるのかもしれない。
2012.03.30
どうにも気になって夜も眠れない。
というわけで,スコップを持って再訪する。(よっぽど物好きな年寄りだ・・・)
連鎖を構成する突起(e)は,砂を外皮とし雪の塊をアンコとする饅頭構造(f)である。
饅頭の下からは,ハマニンニクの枯れ葉などがあったりする降雪前の砂丘の地面が出てくる(g)。
でもなぜこんな砂饅頭が1本の曲線上に並んで続くのだろうか。
この謎は未解決である。
アンコの雪が消え始めると突起の列も崩れていく(b)。
30日には,突起が消え去り連鎖を確認できなくなった地点が3ヶ所あった。
あといくばくかで,連鎖の痕跡すら残さない砂丘の姿が,なにごともなかったような顔をしてそこにあるのだろう。
立入禁止柵受難 2012.04.21〜2016.05.12 2012年
保護地区西端,浜崖の上に設けられた立入禁止柵。
前年12月21日までは健在だった。
12月末から翌1月中ほどにかけての強い西北西風による荒波で浸食された。
それでも緩んだ杭は1本だけ。2,3月はなんとか頑張っていたのだが…
最大瞬間風速25.1m/sを記録した4月4日から5日にかけての台風並みの低気圧は容赦なかった。
その後,保護地区監視員の尽力で,柵は立て直されている。
この柵と直角に砂浜に設けられる車両侵入防止柵も同時に改修された。
この柵がない冬の間は,平気で侵入する車が崖の低い部分を食い破って駆け上り,砂丘の植物を蹂躙する。
2015年
立入禁止柵はふたたび波に痛めつけられた。
2015.02.17 まったくいつも通り。埋め込まれた車両進入禁止用のコンクリートブロックは海際のいくつかだけ頭を出している。
2015.03.14 ところが3/2,3の時化で砂が大きくさらわれてブロックはすべて露出。
だが,浜崖の上の立入禁止柵は付け根部分以外はなんとか崖の上で踏ん張っていた。
2015.03.28 それも3/24,25のあたりにさらに崖が削られて立入禁止柵もかなりの範囲で崩落してしまった。
2015.04.22 立派に修復されていた。切り立った崖の高さは2m以上。ふつうはよじ登れない。
2015.06.18 その切り立った崖の側面にショウドウツバメが巣穴をほって営巣している発見。
(参照) 車両進入防止用コンクリートブロックの露出
2016年
2015年晩秋から,ふたたびみたびこの近辺の浸食が目立ち始めた。
2015.11.24 バームが削られて高さ1m以上の段差ができていたが,柵が設置された崖は無事。
12月中,数10m〜100mほど砂嘴先端方向では浸食が崖まで達していたが,ここは比較的平穏だった。
2015.12.09 11/24のバームの段差が僅かに痕跡を留めている。
しかし・・・
2016.01.23 様相一変,崖の上の柵は10mほどを残して崩落していた。
2016.02.25 浸食はさらに進み,崖に直角に設置された柵以外はすべて失われていた。
2016.03.08 浸食はほぼ収まったようだが,雪が消えて惨状が露わになった。(汀線近くからの概観)
この日は浜崖の上からも削られた様子を確認した。
5mくらいから,多いところでは10m近くも崖は後退しただろうか。
3/22以降については”危険です”参照。
2016.05.12 波による浸食は止まっているが,切り立った崖の側面は極めて不安定でその後も自然崩落が繰り返されている。
崖に沿っての立入禁止柵は今年は設置されない模様。
なにしろ崖の高さが3〜4mあるのでここをよじ登って入ることはほとんど無理。
しかし,自然崩落した砂が溜まって崖下の傾斜が緩んでくるとやや心配。
原木丸太椅子 2012.06.02
砂嘴先端から汀線沿いに350mほど戻ったあたりで,妙なモニュメント?が目に留まる(a)。
だれかが流木を立てていったものとも様子が異なる。
接近してみると,一本ものの丸太椅子である。が,背もたれが垂直に立っていていかにも座り心地が悪い(b)。
この丸太,川や海で水に晒され揉まれた形跡がない。
ということはここいらにありがちな流木ではなく,誰かが原木丸太をわざわざ運び込んだに違いない。
なんのために・・・?
崖の上から海に向かって逆光で撮る(c)。歩く人は見ず知らずの人…
砂嘴のほとんど先端でも別の原木丸太を見かけた(d)。
簡単には動かぬようにしっかりと砂に埋めてあり,切り口になにかの調査の数字が…(e)
確かに,波打際までおよそ20mの地点ではある。
それにしてもいまどき"サ"とはいかにも渋い。
そういえば丸太の日付"24.5.23"の翌日(2012.05.24)にも,この丸太を目に留めている。
このときは水際で不思議なものを拾い,興味を奪われていた。岩石?クジラの骨?
結局は流れ着いた蝋かパラフィンの塊ではないか,ということに落ち着いた。
(巻き込んだ砂丘の風資料館のSさん,お騒がせしました)
さらにここでの関連でいえば,砂嘴先端(河口テラス)に今年もミニ砂嘴が伸び始めた。
5/24 には伸び始める兆候が見られた程度。
6/2 には,長さ50mほど。幅はひろいところで30m弱。
(石狩新港の潮位観測情報によると,5/24は6/2に比べて歩いた時刻での潮位がおよそ20cm高く,それゆえ水没していたのかもしれない)
乗り捨てられた車 2012.06.28 2020.06.04 更新 2012.06.28
石狩川河口砂嘴からはやや離れた,旧知津狩川右岸河口近く。
打ち捨てられて真っ赤に錆びた車に出遭う。
砂丘に乗入れたはいいが,ハマってどうにもならなくなり乗り捨てたものか…
はなからここに捨てるつもりで持ち込んだものなのか…
実はこの車との遭遇は2度目である。およそ1年半ぶりの再会だが,かなり砂に埋まり海浜植物にすっかり囲まれている。
初めて出遭ったのは一昨年,2010.11.20。
夕陽を撮りにきたときだった。
車内はガラスの破片だらけだったが,いまでは運転席に植物が!
近年どこからともなくやってきて,浜辺を我が物顔に占拠する外来植物のオニハマダイコンだった。
2013.10.18
1年と4ヶ月ぶり。相変わらず居座ってはいるが,屋根はもはや朽ち落ちて無残。
やがて砂に埋もれて痕跡もなくなることだろう。
2014.11.05
ドアも潰れ,平たくなって砂からわずかに出ている程度。
新たな堆砂によって砂丘が高くなっていく度合いを測るには格好の物差し替わりになりそうだ。
2019.07.24 完全に埋まっていた車を発掘!
なんと5年に及ぶご無沙汰でした。申し訳ありません。
ここに乗り捨てられた車のことを忘れていたわけではありません。
【花畔・網】で扱うテーマが肥大し続けるものだから,なかなかフォローできない項目も同時に増えてしまうというわけです。
しかし気にはなり続けていました。
今年は6/3,7/18とすでに2度この地(旧知津狩川右岸河口すぐ近くの砂丘)を訪れました。いずれも車を発見できず。
しかし浜崖下では,こんなのとかこんなのが転がっていて,もしかしたら車の残骸かとも思いましたが,どうも違う。
ボロボロになって波にさらわれたのかもしれないけど,すっかり砂に埋没している可能性も大きい。
なにがなんでも解決しなければ睡眠不足になりそう・・・
3度目の7/24,過去の歩いたGPS軌跡などから場所を絞り込んで掘ってみることにしました。
最初はいい加減に長靴で蹴飛ばして砂を掻いてみました。
意外にも割と浅い位置で硬いものにぶつかる手ごたえ,というか,足ごたえ(a)。
周りの砂も鉄錆色に染まっています。これは間違いない!
勇躍持参のスコップで掘ること30分。鉄部にぶつかると掘りにくいことおびただしいわけでまもなくやめました(b,c)。
結論としては乗り捨てられた車の残骸であることにほぼ間違いありません。
ハンドル部と思われる部品が出てきましたので,過去の画像と比べてみます。
めでたし,めでたし!
考察は,読んでいただいた皆さんへのおみやげとして,おまかせいたします。
2020.06.02 再び埋没
旧知津狩川河口
乗り捨て現場ほぼ1年ぶりに乗り捨て現場を訪れた。
再び,すっかり埋没していて跡形もなかった。
二度と掘り起こす気にもならない。
というわけで,9年間に及んで引きずってきたこのコーナーもこれをもって打ち止めということにしたいと思います。
おしゃれキャット マリー 2012.08.03〜2012.08.17 2012.08.03
ほとんど砂嘴の先端。
砂の中からむっくりと這い出してきた。
はて,これは?ウサギでもアライグマでもさなそうだし,いったいアンタはなにもの?
さんざん探してようやくディズニー作品のキャラクターであることがわかった。
ベビー用のおもちゃの乗り物らしい。
8/1の強い雨で流されてきたのだろう。
発見したときには半分くらい砂に埋まっていた。
2012.08.17 そこにはマリーの姿はなかった。
石狩でもまとまった雨が降り川の水位が上昇した14日か16日のいずれかの日に,石狩湾に泳ぎ出たのだろう。
マリーに代わってこの日,川辺ではこんなの,とか,海辺ではこんなの,とかが遊んでいた。